Pマークには存在しない要求事項

【2026年10月時点の注記】
本記事は2017年8月の公開時点の情報をもとにしています。JIS Q 15001は2023年に改正され、プライバシーマークでは2024年10月1日から「構築・運用指針【JIS Q 15001:2023準拠】」に基づく申請受付が始まっています。ISO/IEC 27001は2022年に改訂され、2013年版からの移行期限は2025年10月31日で終了しています。最新の取得の流れは「ISMS(ISO/IEC 27001)認証取得の完全ガイド」で解説しています。
プライバシーマーク(Pマーク)はJIS Q 15001という国内の工業規格の一つに準拠しています。ISOという国際的な規格に準拠しているわけではありませんが、それでもプライバシーマーク(Pマーク)の要求事項の多くはISOの規格群に準じたものであることが見て取れます。
プライバシーマーク(Pマーク)の主要な要求事項のほとんどは、次のようにISO規格でも一般的に要求されていることなのです。
- 方針を定めること
- リスク分析を行うこと
- 教育を実施すること
- 監査や代表者の見直しを行うこと
ところがISO規格群では共通して要求されているのにJIS Q 15001では要求されていない大きな項目が一つあります。「目標達成の計画策定」という項目です。
「目標達成の計画策定」とは平たく言うと、「目標とそれを達成するための方法を定め、目標を達成しましょう」というもので、そのプロセスによって最終的に成果のある取り組みを実現していこうという活動です。
この記事のポイント
- JIS Q 15001には、ISO規格群で共通して要求されている「目標達成の計画策定」の要求事項がない
- ISMSの規格ISO27001の6.2項では、情報セキュリティ目的とそれを達成するための計画策定が求められており、この活動が欠落していると取得審査や更新審査に通ることができない
- 目標達成の取り組みは、ISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001(環境マネジメントシステム)でも求められている
- 要求事項がないことには、目的のぼやけた運用に終始するおそれという弱点と、目標達成が目的化して業務の負担を増すおそれがないという利点があり、「ないのは良いこと?」については一長一短ある
ISMSにはあってPマークの規格にはないもの
一例としてISMSの規格であるISO27001を見てみますと、規格書の6.2項に「情報セキュリティ目的及びそれを達成するための計画策定」という項目が組み込まれていて、そこでは目標の決め方や取り組み方の大枠が指示されています。
ですからISMSを取得したければ会社で必ず情報セキュリティに関する何かしらの年間目標などを立て、それに向けて活動していなければならないわけです。この活動がまるごと欠落していると取得審査や更新審査に通ることができません。
実のところ目標達成の取り組みは、次のISO規格で求められています。
- ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)
- ISO9001(品質マネジメントシステム)
- ISO14001(環境マネジメントシステム)
ないのは良いこと?
一方のプライバシーマーク(Pマーク)では目標達成の要求事項が存在しないということですが、これは良いことなのでしょうか。どうなのでしょうか。
個人的には一長一短あると思います。
ISO規格群がこぞって目標達成を要求事項に含めているのにはそれなりの理由があるわけで、その理由とは、具体化された定量的な目標を設定したうえでPDCAのサイクルをまわすことで、真に価値のある活動を実現していくためということでもあります。
もし明確な目標達成の取り組みがないと、場合によっては目的のぼやけた運用に終始してしまうおそれもあります。もっともこれが落とし穴になるかどうかは各プライバシーマーク(Pマーク)取得会社の取り組み方次第でしょう。
このような弱点がある反面、目標達成の要求事項が存在しないプライバシーマーク(Pマーク)の規格には利点もあります。
Pマークの規格の利点
ややもすると目標達成の取り組みはそれ自体が目的化し、業務とは関係のないところで運用され、かえって業務の負担を増してしまうというおそれがあります。そんな目標ならむしろ立てないほうがましです。
この点、目標達成を要求事項に含めなかったJIS Q 15001は非常に現実的で現場主義であると評価することもできるのではないでしょうか。
まとめ
この記事のまとめ
- 目標達成の計画策定は、JIS Q 15001では要求されていないが、ISMS(ISO27001)などのISO規格では要求されている
- 目標達成の要求事項がないことには、目的のぼやけた運用になるおそれという弱点と、業務の負担を増さないという利点の両方がある
- Pマーク取得会社が自主的に年間目標や部門ごとの目標を定めて運用することは決して間違いではない
もちろんプライバシーマーク(Pマーク)(Pマーク)取得会社が自主的に自社の個人情報保護に関する年間目標や部門ごとの目標を定めて運用することは決して間違いではありません。
目標を立て、それに向けて取り組むことが会社の個人情報保護マネジメントシステムの向上につながるのであれば、それ以上にすばらしいことはありません。
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株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
株式会社UPF
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