Pマーク会社に寄せられる苦情の経路

【2026年10月時点の注記】
本記事は2018年2月の公開時点の情報をもとにしています。JIS Q 15001は2023年に改正され、プライバシーマークでは2024年10月1日から「構築・運用指針【JIS Q 15001:2023準拠】」に基づく申請受付が始まっています。
プライバシーマーク(Pマーク)(Pマーク)取得会社は個人情報の本人から申し出があった苦情に対し適切に対応しなければなりません。苦情と相談に適切に対応することはプライバシーマーク(Pマーク)の規格であるJIS Q 15001の要求事項の一つです。
なおJIS Q 15001がいう「苦情」や「相談」とは個人情報の取り扱いに関して本人などから寄せられる苦情や相談のことを意味します。
苦情の内容は様々ですが、苦情が寄せられる経路も複数あります。
この記事のポイント
- 苦情と相談に適切に対応することは、プライバシーマーク(Pマーク)の規格であるJIS Q 15001の要求事項の一つ
- 苦情が寄せられる経路は、電話、Webフォーム・電子メール、郵送、直接口頭など複数ある
- プライバシーマーク(Pマーク)を取得・更新する会社は、外部に向けて苦情対応窓口を公表しなければならない
- Webフォーム・電子メールでの苦情にも迅速に対応できる手順と体制を整え、口頭での苦情も窓口担当者に伝達されるよう手順を整備しておく
電話での苦情
そもそもプライバシーマーク(Pマーク)を取得・更新する会社は外部に向けて苦情対応窓口を公表しなければなりません。窓口となる責任者の氏名まで表示することが必要ではないにしても原則として電話番号や住所、そして部署名、担当者(職務名)くらいは表示する必要があります。
窓口の電話番号を公表するということはつまり電話で苦情が寄せられることもあるということです。
電話はお客様によって苦情をすぐに申し出ることのできる手段の一つですから、電話番号を公表するとともに電話で苦情があった場合は落ち着いて内容を正確に把握し、迅速に対応するようにしましょう。フリーダイヤルなどを用意しておくとさらにお客様に対しても親切かもしれません。
Webフォーム・電子メールでの苦情
最近では個人情報に関する苦情や相談を受け付けるための専用フォームを自社Webサイト上に設置しているプライバシーマーク(Pマーク)取得会社も少なくありません。また専用フォームはないにしてもメールアドレスを公表している会社が大多数です。
Webフォームや電子メールでは苦情の内容が書面に残るため、正確に状況を把握して対応しやすいというメリットがあります。
電話と異なり直接対話するわけではないため、苦情の切実性が十分把握できなかったり、あるいは気づくのが遅れて対応が滞ったりするという可能性もあります。プライバシーマーク(Pマーク)取得会社はWebフォーム・電子メールでの苦情にも迅速に対応できるための手順と体制を整えておくようにしてください。
郵送での苦情
郵送で苦情を申し出るお客様もいらっしゃるかもしれません。電話やWebフォーム・電子メールよりは手間のかかる方法かもしれませんが、それでも郵送で苦情を申し出るかもしれないお客様のために必ず窓口となる郵送先を公表するようにしましょう。
直接口頭での苦情
お客様が口頭で苦情を申し出ることも考えられます。必ずしも苦情窓口担当者ではなく他の業務の担当者が苦情を受け付けることもあるでしょう。このような場合も必ず苦情窓口担当者に苦情が伝達され、適切に対応できるよう手順を整備しておく必要があります。
まとめ
この記事のまとめ
- 一件の苦情がきっかけとなって、会社の個人情報マネジメントシステムの欠点が是正されたり、起こるかもしれなかった事故が未然に防止されたりすることもある
- お客様の気持ちに配慮し、一つ一つの苦情を誠意をもって受け止め、最大限の対応を実施するよう心がける
一件の苦情がきっかけとなって会社の個人情報マネジメントシステムの欠点が是正されたり、起こるかもしれなかった事故が未然に防止されたりすることもあるのです。
お客様の気持ちに配慮することはとても大切です。プライバシーマーク(Pマーク)取得会社は一つ一つの苦情を誠意をもって受け止め、最大限の対応を実施するよう心がけるべきと言えるでしょう。
・こちらの記事もおすすめです→【Pマークって日本だけ?】
株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
「破られる前提」で備える時代へ——PHPの深刻な脆弱性(php2shell)とAI時代のサイバー攻撃について、私が考えたこと
2026年10月、サーバー側の言語が判明しているWebサイトの約7割で使われるPHPに、認証なしで外部からコードを実行され得る深刻な脆弱性(php2shell、CVSS 9.2)が公表され、国内外でサイト停止が相次ぎました。10年以上潜んでいた穴の攻撃経路をAIが突き止めた今回の件から、企業が「破られる前提」で備えたいことを、情報セキュリティの支援会社の代表として考えます。 […]
「預かる側」が問われている——委託先経由の漏えいが相次ぐなか、受託企業がいま整えておきたい5つのこと
日本経済新聞が随時更新している個人情報漏えいの公表企業一覧(2026年10月20日更新時点の78本)を見出しで確認すると、委託先・外部サービスなど、自社の外にある事業者の関与が示されたものが22本ありました。一つの攻撃が多数の公表につながる「連鎖」を踏まえ、取引先から個人データを預かる受託企業がいま整えておきたい5つのことを、個人情報保護委員会の資料をもとに整理します。 […]
「入らせない」——侵入経路の約5割はVPN機器。不正アクセスを防ぐために、いま優先する5つの対策
2026年上半期のランサムウェア被害報告は123件で半期として最多、被害組織の約6割は中小企業、侵入経路の約5割はVPN機器(警察庁)。個人情報保護委員会と警察庁の資料をもとに、不正アクセスを防ぐためにいま優先する5つの対策をまとめた、連載の最終回です。 […]
「退会しても、情報は残っている」——相次ぐ個人情報漏えいに、利用者・経営者・支援会社の3つの立場から私が考えたこと
タイムズカー、スカイチケット、ブックオフ、デジタル庁と、大規模な個人情報漏えいの発表が相次いでいます。退会しても情報が残っていることがある現実を踏まえ、利用者・経営者・Pマーク/ISMSの支援会社という3つの立場から、いまできる備えをUPF代表の仲手川が考えます。 […]
「間違えて渡さない」——件数で最多の漏えい、誤送付・誤交付を「注意」ではなく「仕組み」で減らす
個人情報保護委員会に報告された漏えい等事案の76.9%は紙媒体のみ。件数で見るといまも最多の誤送付・誤交付を、人の注意ではなく「止まる・間違えにくい・広がらない・報告される」の4つの仕組みで減らす方法を、個人情報保護委員会の資料をもとにまとめたコラムです。 […]