新しいしくみを成功させるために ~手順を示す~【Pマーク取得の基礎知識】

今回も新しいしくみの運用を成功させるためにできることをお話したいと思います。
マニュアルを作る
新しい手順を周知するうえでマニュアルは欠かせません。
もちろん口頭で説明する機会もあるかもしれませんが、社員が後でその手順を実践することができるようにするためにも、また何らかの都合で口頭での説明を受けることができなかった社員のためにも、マニュアルは用意しておくべきでしょう。
形式の整ったマニュアルをいつでも準備しなければならないわけではありません。ポイントは次の2つです。
- 手順が書面などで確認できる状態であること
- 行うべきことが順序立てて示されていること
様式には記入例を準備する
プライバシーマーク(Pマーク)(Pマーク)では記録のための様式を持つことが望ましいとされています。新たにプライバシーマーク(Pマーク)取得に取り組み始めた会社においては、記録を取る手順が定着するのに時間がかかる場合もあります。
そこでお勧めしたいのは、社員に記録の仕方を説明する場合に様式の記入例を配付することです。
記入例どおりに書くわけではないとしても、“どのような種類のこと”を“どれくらいの具体性で”書けばよいのかを社員たちは記入例を通して把握することができます。
ついでに言っておくと、見本を準備することはPマーク担当者側にとっても有益です。記入例を作りながら「この項目わかりにくい」などの問題点が明確になることもあるからです。自分たちも理解に困るようなものを社員たちが理解できるはずがありません。その段階で様式に修正を加えることができます。
関係者を明確にする
手順には5W1Hが不可欠と言われますが、その中でも“だれ”が“だれ”に対して行うのかという部分を明確にしておくことは大事です。
たとえば手順の中に「業務委託先に守秘義務に関する誓約書を渡し、署名してもらう」というものがあるとしても、業務委託先って言われても具体的にだれ?という疑問が残ります。業務委託先の業務担当者でしょうか、業務責任者でしょうか、それとも先方の個人情報保護管理責任者でしょうか。
また「営業所で苦情が発生した場合はただちに本社へ報告する」のような例についても同じことが言えます。必要なのは本社の“だれ”に報告するかという情報です。
手順書には具体的なことが記載できない場合もありますので、口頭での説明の際に必ず関係者に関する情報を明確にするようにしましょう。
質問に対応できるようにする
新しい手順に関して質問が生じたときの問い合わせ窓口は必ず用意しておくべきです。大きな会社では部署ごとに用意しておくのがよいかもしれません。
まとめ
手順を示すことは個人情報保護のための新しいしくみを定着させるために必要なことです。社員の立場に身を置き、どのように手順を説明されると一番実行しやすいかを常に考えるようにしましょう。
★こちらの記事もおすすめです!
→【シャレにならない新ルール(EUの個人情報保護)【GDPRでISMS取得も有効な対策】】
株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
AI利用ガイドラインは自社で作る?テンプレート?専門家に依頼?3つの作り方を費用・期間・注意点で比較【2026年】
「社内でもAIを使い始めたので、利用ルールを決めておきたい」 この1年で、こうしたご相談を本当に多くいただくようになりました。 総務省の「令和8年版 情報通信白書」によると、生成A […]
AI利用ガイドラインとAIMS(ISO/IEC 42001)はまったく別のもの|目的・中身・費用・期間の違いと、自社に必要なのはどちらか
「AIのルールを整えたいのですが、AIMSを取ったほうがいいのでしょうか」 AI利用ガイドラインのご相談のなかで、こうしたご質問をいただくことがあります。 どちらも「AI」と「ルー […]
【2026年10月】名古屋・大阪・福岡でAI社内ガイドライン策定を頼める会社比較|地域別の依頼先と料金・支援内容
「生成AIの社内ルールを整えたいが、名古屋(大阪・福岡)で頼める会社はどこか」 東京以外の企業様からも、こうしたご相談をいただくことが増えてきました。 本記事では、名古屋・大阪・福 […]
「破られる前提」で備える時代へ——PHPの深刻な脆弱性(php2shell)とAI時代のサイバー攻撃について、私が考えたこと
2026年10月、サーバー側の言語が判明しているWebサイトの約7割で使われるPHPに、認証なしで外部からコードを実行され得る深刻な脆弱性(php2shell、CVSS 9.2)が公表され、国内外でサイト停止が相次ぎました。10年以上潜んでいた穴の攻撃経路をAIが突き止めた今回の件から、企業が「破られる前提」で備えたいことを、情報セキュリティの支援会社の代表として考えます。 […]
AI利用ガイドラインには何を書く?入れるべき項目と分量の考え方、作った後の社内展開・見直しまで
「どういう内容で、どれぐらいのボリュームで作るのが正解なのか、まったくイメージが湧かなかった」 AI利用ガイドラインの策定をご依頼いただいた、PR会社の株式会社LITA様の言葉です […]