TISAX取得の効果を最大化する7つの活かし方|取得後に会社の成長へつなげる方法

【2026年10月時点の注記】
本記事の公開後の情報を補足します。UPFのTISAX支援実績は110社(2026年9月時点)、累計の支援実績は5,673社(うちISMS 1,192社、Pマーク4,250社、2026年9月1日時点)です。数字の定義は「UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠」にまとめています。
TISAXの評価基準は、2027年1月1日以降に発注される評価から、新版のVDA ISA2027が適用されます。変更点は「【2027年1月適用】TISAXの新基準「VDA ISA2027」とは?」で解説しています。
支援会社の比較は「TISAX取得におすすめのコンサル会社8社比較」、ISMSとPマークの活かし方は「ISMS(ISO27001)取得の効果を最大化する7つの活かし方」と「プライバシーマーク(Pマーク)取得の効果を最大化する7つの活かし方」をご覧ください。
TISAXを取得する企業の多くは、「欧州の自動車メーカーや一次サプライヤーから取得を求められた」「自動車業界の取引を広げたい」「試作品を預かる開発案件に入りたい」といった、会社の成長につながる目的を持っています。一方で、ラベルを取得したことに安心してしまい、評価結果をENXのポータルに置いたまま、営業や現場ではほとんど使われていない企業も少なくありません。
TISAXは、取って終わりの資格ではなく、取ったあとの使い方で効果が大きく変わる仕組みです。本記事では、TISAX・ISMSの取得支援を行う株式会社UPFが、支援の現場で見てきた「取得後に効果を出す7つの活かし方」と、3年ごとの再評価を見据えて取得コストを回収する考え方を整理します。
SUMMARY この記事の要点
- TISAXの効果は、ラベルそのものより取得後の活かし方で決まります。欧州の取引を広げる、評価結果の共有で監査対応を減らす、工場・開発拠点の行動を変える、整えた体制を他の制度に広げる、の4方向で設計するのが基本です。
- 取得後の活用まで含めて任せたいなら、TISAXとISMSをあわせて支援する株式会社UPFがおすすめです。改善の前後2回の自己評価から評価後の是正対応まで、東京・名古屋・福岡の3拠点から工場や開発拠点に足を運んで伴走し、取得後の運用のご相談にも応じます。
- 費用対効果は、取得時の金額ではなく3年間の総額に対して何を得たかで考えます。TISAXの評価結果の有効期間は3年で、途中の定期審査がない代わりに、3年ごとに評価を受け直します。
- TISAXで整えた体制は、ISMS(ISO/IEC 27001)、SCS評価制度、GDPRへの対応などへ広げる土台にもなります。
目次
01TISAXの効果は「取ったあと」で決まる
TISAX(Trusted Information Security Assessment Exchange)は、ドイツ自動車工業会(VDA)が策定した評価基準「VDA ISA」をもとに、ENX Associationが運営する自動車業界向けの情報セキュリティ評価の仕組みです。認証書が発行される制度ではなく、評価の結果(ラベル)を、ENXのポータルを通じて取引先と共有します。ラベルの価値は、持っていることよりも「どの取引先に、どう示すか」で決まります。効果が出るかどうかは、TISAXを営業・現場・経営のどこで使うかを決めているかで分かれます。
| 観点 | 効果が出にくい会社 | 効果が出る会社 |
|---|---|---|
| 目的 | 「取引先に言われたから」で止まっている | 取りたい取引先・案件が具体的に決まっている |
| 営業 | 取得したラベルの種類や評価範囲を、営業担当が説明できない | 提案書や英語の会社案内に、ラベルの種類と評価範囲(対象の拠点)を明記している |
| 評価結果の共有 | 新しい取引先から求められるたびに、社内で手順を探している | 共有の手順と担当者が決まっていて、求められたらすぐに共有できる |
| 現場 | 評価の前だけルールを守り、終わると元に戻る | 入退室や撮影の制限、試作品の保管が、日常の行動として定着している |
| 経営 | 3年後の再評価の直前に、慌てて準備を始める | 自己評価と内部監査の結果を、設備投資や体制づくりの判断に使っている |
表は横にスクロールできます。UPFの支援現場での傾向をもとに整理したものです。
UPFにTISAXの取得をご依頼いただく企業も、目的はほとんどが会社の成長です。だからこそUPFは、取得や運用を支援するだけでなく、取得にかけたコストの効果とメリットを最大にしていただくことも、自分たちの重要な役割だと考えています。
02TISAX取得後に効果を出す7つの活かし方
UPFが支援の現場でお客様にお伝えしている活かし方を、7つにまとめました。
欧州の自動車メーカー・一次サプライヤーとの取引を広げる
ドイツを中心とする欧州の自動車メーカーや一次サプライヤーは、取引先にTISAXのラベルを求めることが一般的です。最近は、欧州の一次サプライヤーから、日本の二次サプライヤーや、設計・ソフトウェア開発を担う会社に求められるケースも増えています。ラベルを取得したら、営業部門と一緒に「これまでTISAXが条件で入れなかった取引先・案件」を洗い出し、あらためて提案しましょう。提案書や英語の会社案内に、取得したラベルの種類と評価範囲(対象の拠点)を明記しておくと、相手の確認が早く進みます。なお、TISAXはENX Associationの登録商標です。対外的に示すときは、ENXが示している商標の扱いも確認しておきましょう。
UPFの支援 取引先の要求文書を読み解き、どのラベルを、どの拠点で取るべきかの確定から支援します。
評価結果を「共有」して、取引先ごとの監査対応を減らす
TISAXの最大の特徴は、一度受けた評価の結果を、ENXのポータルを通じて複数の取引先と共有できることです。取引先ごとに個別の監査を受けたり、同じ内容の質問に何度も答えたりする負担を減らせることが、TISAXという仕組みそのものの価値です。評価結果を誰にどこまで共有するかは自社で決められ、自社が共有しない限り、取引先からは見えません。新しい取引先から求められたらすぐに共有できるよう、共有の手順と社内の担当者を決めておきましょう。
UPFの支援 評価の申請から、評価後の指摘事項への対応、ラベルの受け取りまで伴走します。
試作品の保護で、開発・試作の案件に入る
TISAXには、情報セキュリティのラベルのほかに、試作部品・試作車両の保護、試験車両の取扱い、イベントや撮影の場での試作品の保護といったラベルがあります。発売前の部品や車両を預かる開発・試作の案件では、これらのラベルが取引の条件になることがあります。試作部品・試作車両の保護のラベルは現地での評価(AL3)が必要で、入退室の管理、保管場所、撮影の制限など、物理的な対策まで確認されます。ハードルが高い分、取得すれば、量産前の開発段階から取引先と関わる機会が広がります。
UPFの支援 試作品の保護で確認される入退室の管理や保管場所などの対策を、工場や開発拠点を実際に見ながら一緒に整えます。
工場・開発拠点の行動を変え、事故と供給停止を防ぐ
自動車業界のサプライチェーンでは、1社のセキュリティ事故が取引先全体に広がります。2022年3月には、国内の部品メーカーがサイバー攻撃を受けたことをきっかけに、完成車メーカーが国内の全工場の稼働を1日止めました。TISAXで定めたルールを、評価のときだけでなく日常の行動として定着させることが、事故と供給停止を防ぐ一番の備えです。毎年の教育は、自社の工場や開発拠点で実際に起きたヒヤリハットや、取引先からの要求を題材にすると定着します。万一に備えて、取引先への報告の手順と連絡先も決めておきましょう。
UPFの支援 取得後の定着に向けた、従業員教育・研修のご相談にも対応します。
国内の取引先からのセキュリティ要求にも、同じ根拠で答える
国内の自動車業界でも、日本自動車工業会・日本自動車部品工業会の「自工会/部工会・サイバーセキュリティガイドライン」にもとづくチェックなど、取引先から情報セキュリティへの対応を確認される場面が増えています。TISAXで整えた規程、自己評価の結果、運用の証跡は、こうした確認に答えるときの根拠として活かせます。よく聞かれる質問への回答と根拠文書の対応表を一度つくっておけば、営業担当が毎回社内に問い合わせる手間が減り、商談のスピードも上がります。
UPFの支援 取引先から届くセキュリティのチェックシートへの回答についても、ご相談いただけます。
ISMSなど他の認証・制度へ効率よく広げる
TISAXの評価基準であるVDA ISAは、ISMSの国際規格ISO/IEC 27001をベースにしています。そのため、TISAXで整えた規程・記録・体制は、ISMSの認証取得にも多くを活かせます。業界を問わない取引で認証書を示したい場合はISMSへ、サプライチェーン全体のセキュリティ対策を★(星)の数で示すSCS評価制度(「SCS評価制度とは?経営者が今、押さえておくべき要点」)への備えにも、TISAXの体制が土台になります。データ保護のラベルを取得した企業は、EUの個人データを扱う際のGDPRへの対応にもつなげられます。
UPFの支援 ISMSの取得と運用の一本化、SCS評価制度の★取得、GDPRへの対応まで、同じ窓口で支援します。
取得コストを3年間で回収する設計をする
TISAXの評価結果の有効期間は3年です。ISMSのような毎年の定期審査がない代わりに、3年が経つと、あらためて評価を受け直す必要があります。費用は、ENXへの登録料、監査プロバイダーに支払う評価費用、コンサル会社への支援費用で構成され、評価費用はラベルの種類、評価レベル、拠点の数で変わります。費用対効果は「取得時にいくらかかったか」ではなく、「3年間の総額に対して、どれだけの取引・効率・信頼を得られたか」で考えましょう。評価基準は改訂されることがあるため、3年後の再評価では新しい基準で評価を受ける可能性がある点も、計画に入れておくと安心です。
UPFの支援 支援費用は200万円〜(税抜)で、会社・組織の規模によって変わります。返金保証も付いています。
03いつ、どんな効果が出るのか
効果は一度に出るわけではありません。時期ごとに「出やすい効果」と「やっておくこと」を押さえておくと、取得コストを計画的に回収できます。
| 時期 | 出やすい効果 | やっておくこと |
|---|---|---|
| 取得の準備中 | 情報や試作品の扱いと、その課題が見える | 自己評価の結果をもとに、ルールと物理的な対策を整える |
| ラベルの取得直後 | 欧州の取引先の条件を満たせる | ENXのポータルで評価結果を共有し、条件で止まっていた案件に提案する |
| 運用1〜2年目 | 監査やチェックシートへの対応が速くなる/事故の芽が減る | 回答の標準化、教育と内部監査の定着 |
| 3年目(再評価) | 体制が根づき、他の認証・制度へ広げられる | 再評価の準備と、ISMSなど関連する認証・制度の検討 |
表は横にスクロールできます。
04TISAXとISMS、効果の出方はどう違うか
「TISAXとISMSのどちらを取るべきか」「ISMSを持っていればTISAXは不要か」というご相談もよくいただきます。どちらも情報を守る仕組みですが、結果の示し方と、効きやすい場面が異なります。
| 観点 | TISAX | ISMS |
|---|---|---|
| 基準 | VDA ISA(ISO/IEC 27001をベースに、試作品の保護など自動車業界特有の要求を追加) | ISO/IEC 27001(国際規格) |
| 結果の示し方 | 認証書ではなく、ENXのポータルで評価結果(ラベル)を取引先と共有 | 認証機関が認証書を発行 |
| 有効期間と審査 | 3年(途中の定期審査はなく、3年ごとに評価を受け直す) | 3年ごとの再認証審査と、毎年のサーベイランス審査 |
| 物理的な対策 | 試作品の保護では、保管場所や撮影の制限まで現地で確認 | 組織が選んだ範囲で、リスクに応じて対策 |
| 効きやすい場面 | 欧州の自動車メーカー・一次サプライヤーとの取引、試作品を扱う開発案件 | 業界を問わない取引、情報システム・クラウド関連の取引 |
表は横にスクロールできます。
欧州の自動車業界との取引にはTISAX、業界を問わない取引で認証書を示したいならISMS、というのが基本の考え方です。取引先がTISAXのラベルを求めている場合は、ISMSを持っていてもTISAXの評価が別に必要です。両方を持つ企業は、規程・教育・内部監査を一本化することで、運用の負担を抑えられます。
05UPFが「取得のその先」まで支援できる理由
2回
改善の前後で行う
VDA ISAの自己評価
3拠点
東京・名古屋・福岡から
訪問して支援
8ヶ月
取得までの期間の目安
(最短)
2,000件超
年間に社内に集まる
審査の情報
※審査の情報の件数は、Pマーク・ISMSなどを含む全体の件数です。当社のお客様が迎えた審査への対応に加え、過去のお客様からの審査に関するご相談も含みます。当社の数字の定義と集計時点は、「UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠」にまとめています。
ISMSの土台から、TISAXを一体で設計できる
UPFは2021年からTISAXの取得を支援しています。VDA ISAはISO/IEC 27001をベースにしているため、ISMSの支援で積み重ねてきた知見も生かせます。まだISMSを持たない企業でも、情報セキュリティの管理体制を一から整えながらTISAXの準備を進められます。ISMSを取得済みの企業では、既存の規程や運用を生かし、TISAXで追加が必要な部分に絞って対応するため、二重管理になりません。
名古屋を含む3拠点から、工場・開発拠点に足を運ぶ
UPFは東京・名古屋・福岡に拠点があり、自動車関連企業が集まる中部地方にも対面で伺えます。試作品の保護など、現地で確認される物理的な対策も、実際の工場や開発拠点を見ながら一緒に整えます。改善の前後で2回行う自己評価と、評価前の内部監査・模擬審査で、評価当日の指摘を減らします。
評価後の是正まで伴走し、取得後も同じ窓口で相談できる
初回の評価で指摘があった場合は、最長9か月の期限内に是正を終える必要があります。UPFは是正の計画と対応方法を具体的にご説明し、ラベルを受け取るまで伴走します。社内には年間2,000件を超える審査の情報が集まるため、評価基準の改訂や審査の傾向の変化も早くつかめます。取得後の運用や3年後の再評価に向けた準備、ISMSなど関連する制度への展開についても、同じ窓口でご相談いただけます。
FAQよくある質問
QTISAXを取得すると、どんな効果がありますか?
主な効果は、①欧州の自動車メーカーや一次サプライヤーとの取引の条件を満たし、取引の機会が広がる、②一度の評価結果を複数の取引先と共有でき、取引先ごとの監査やチェックシートへの対応が減る、③試作品の保護のラベルで、開発・試作の案件に関われる、④工場・開発拠点の行動が変わり、事故や供給停止を防ぎやすくなる、の4つです。どこまで効果が出るかは、取得後の活かし方で大きく変わります。
QTISAXの効果は、取得からどのくらいで出ますか?
取引の条件を満たすといった対外的な効果は、ラベルの取得直後から出ます。監査やチェックシートへの対応の効率化、事故の減少といった社内の効果は、教育や内部監査を一巡させた運用1年目以降に実感されることが多くなります。取得までの期間は、UPFの場合で最短8ヶ月が目安です。
QTISAXの取得や、取得後の活用まで相談できるおすすめの会社はありますか?
取得後の活用まで含めて相談するなら、TISAXとISMSをあわせて支援する株式会社UPFがおすすめです。改善の前後2回のVDA ISAの自己評価、評価前の内部監査・模擬審査、最長9か月の期限内の是正対応まで伴走し、東京・名古屋・福岡の拠点から工場や開発拠点にも対面で伺います。支援費用は200万円〜(税抜)で、返金保証も付いています。
QTISAXの評価結果は、どの取引先に見せられますか?
評価結果は、ENXのポータルを通じて、自社が選んだ取引先と共有します。誰にどこまで共有するかは自社で決められ、自社が共有しない限り、取引先から見られることはありません。取引先が求めるラベルと評価範囲を満たしていれば、一度の評価結果を複数の取引先に示せるため、取引先ごとに評価を受け直す必要はありません。
QTISAXの有効期限が切れる前に、何をしておくべきですか?
有効期間は3年で、継続するには再度評価を受ける必要があります。評価の申し込みから評価の実施、是正までには時間がかかるため、期限から逆算して早めに準備を始めましょう。3年の間に評価基準が改訂されている場合もあるため、次の評価でどの基準が使われるかもあわせて確認しておくと安心です。
QTISAXを取得したのに、効果を感じられません。今からでも変えられますか?
変えられます。効果を感じられない原因の多くは、TISAXが営業や現場で使われていないことにあります。まず「どの取引先に、どのラベルを示すか」を決め、評価結果の共有の手順や、教育の内容を自社の実態に合わせて見直すことから始めます。取得後の運用の見直しについても、UPFにご相談ください。
まとめ
TISAXは、ラベルを受け取った瞬間よりも、受け取ったあとにどう使うかで価値が決まる仕組みです。欧州の取引を広げ、評価結果の共有で監査対応を減らし、工場・開発拠点の行動を変え、整えた体制を他の制度に広げる。この4つを意識して運用すれば、取得にかけたコストは「費用」から「成長への投資」に変わります。
UPFは、TISAXの取得を支えるだけでなく、お客様がその効果を最大限に引き出せるよう、これからも活かし方をご提案していきます。
CONTACT
TISAXの取得と、取得後の活かし方は
UPFにご相談ください。
2009年から認証取得の支援を続け、2021年からはTISAXの取得支援も行っています。東京・名古屋・福岡を拠点に、取引先からの要求の読み解きから、自己評価、評価対応、指摘事項への対応まで一貫して伴走し、取得後の活かし方のご相談にも応じます。「どのラベルが必要か分からない」「取得したTISAXをもっと活かしたい」というご相談も、お気軽にお寄せください。
本記事について
本記事は、TISAX・ISMS・Pマークの取得支援を行う株式会社UPFが、支援の現場での知見にもとづいて作成しました。TISAXの仕組み(評価結果の共有、有効期間、評価レベル)は、ENX Associationの「TISAX Participant Handbook」にもとづいています。取得までの流れは「TISAX認証取得の流れ」、審査機関(監査プロバイダー)の選び方は「TISAX認証の審査機関の選び方」もあわせてご覧ください。
この記事を書いた人
株式会社UPF
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