【最新2026】企業が今週中に確認したい、最低限の7つの対策——不正アクセス・情報漏えいのまとめ

2026年9月下旬以降、不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次いでいます。数百万件から1,000万件を超える規模で、個人情報が漏えい、または漏えいしたおそれのある事案も複数公表されており、被害は大手企業に限らず、自治体や大学にも及んでいます。
業種や規模を問わず、どの企業にとっても他人事ではない状況です。
UPFにもこの1〜2週間、ご相談が急増しています。既存のお客様からは「自社の管理体制は大丈夫か」「今できる対策はないか」という声を多くいただいています。さらに、お客様の取引先や委託先で起きた漏えいが連鎖的に影響し、その対応についてのご相談も寄せられています。もちろん、新たにご相談くださる企業も少なくありません。
この記事は、こうしたご相談の中でお客様にお伝えしてきた内容を、「何が起きているのか」「なぜ起きているのか」「今、何をすべきか」の順にまとめたものです。
この記事のポイント
- 2026年9月ごろから、不正アクセスによる個人情報の漏えいが業種を問わず相次ぎ、10月に入って政府・関係機関が相次いで注意喚起を出した
- 公表された手口を見ると、既知の脆弱性を突く攻撃やAPI(アプリの裏側の窓口)の悪用、委託先やクラウドを経由した被害など、以前から指摘されてきた弱点を狙ったものが目立つ
- AIの悪用を指摘する声もあるが、現時点でAIが使われたと断定できる痕跡は公表されていない。仮に使われていても、変わるのは「入口」ではなく、弱点を見つける「速さ」と「コスト」。基本の穴を塞ぐことが最優先
- 委託先やクラウド経由で、自社のシステムが無事でも情報が漏れる「連鎖」が起きている
- 今週中に確認したい最低限の7つの対策と、委託先で漏えいが起きたとき・万が一のときの初動をまとめた
目次
2026年9月〜10月に公表された主な情報漏えい事案
まず、この2週間ほどで公表された主な事案を整理します。
| 公表 | 組織 | 概要 | 規模(公表・報道ベース) |
|---|---|---|---|
| 9/25 | タイムズモビリティ(タイムズカー) | タイムズカーWebシステムへの不正アクセス。会員情報が漏えいし、うち約160万件は運転免許証画像等の本人確認書類を含む(9/28・9/29の続報で公表) | 約660万件(アカウント数) |
| 10/5 | 物語コーポレーション(焼肉きんぐ) | 「焼肉きんぐ」公式アプリの会員管理システムへの不正アクセス。会員情報が漏えい | 約1,079万件 |
| 10/6〜7 | シチズン時計、損害保険ジャパンほか | 共通の委託先(スカラコミュニケーションズ)のFAQシステムへの不正アクセス。顧客情報が漏えいした可能性 | シチズン時計 約10万名分、損保ジャパン 約6万件(問い合わせ単位の延べ件数)ほか |
| 10/7 | IDCフロンティア(IDCFクラウド) | クラウドサービス「IDCFクラウド」へのランサムウェア攻撃。利用企業のサービス停止のほか、利用企業側で情報漏えいの可能性を公表する例もある(下記のJR東日本など) | IDCFクラウドを契約する495の企業や自治体に影響 |
| 10/8 | 第一興商 | 個人情報の取扱いを委託している会社の従業員端末がマルウェアに感染 | 約872万件(お客様・従業員情報の合計。漏えいのおそれ) |
| 10/8 | ローソン | 第三者による不正アクセス。「ローソンID」利用者の個人情報(氏名・メールアドレス等)が漏えい | 約215万件 |
| 10/9 | ブックオフグループホールディングス | 不正アクセスによる個人情報の漏えい | 対象人数・情報は精査中(同社発表) |
| 10/9 | アドベンチャー(skyticket) | 管理機能の不正操作を起点とする不正アクセス。顧客情報が流出、または流出したおそれ | 約1,464万件 |
| 10/9 | JR東日本、ビューカード | IDCフロンティアで発生した不正アクセスに伴い、メール配信用の外部サービスからメールアドレス等が漏えいした可能性 | えきねっと 最大約167万件、大人の休日倶楽部 最大約39万件、VIEW’s NET 約403万件(いずれも可能性) |
※各社の公表・報道をもとに当社で整理(2026年10月11日時点)。件数には「おそれ」「可能性」を含み、単位(件・人分・アカウント)は各社の公表に合わせています。今後の調査で変わる可能性があります。
このほかにも、生命保険、建設、教育など、さまざまな業種で公表が続いています。9月には、デジタル庁が運用する「ガバメントソリューションサービス(GSS)」でも、ネットワーク接続機器(VPN)の脆弱性を利用して侵入され、職員等の個人情報約24.6万件が漏えいした可能性があると公表されました。
また警察庁によると、2026年上半期(1〜6月)のランサムウェア被害の報告は123件で、統計を取り始めた2020年下半期以降、半期として最多です。被害企業を規模別に見ると、前年と同様に中小企業が約6割を占めています。「狙われるのは大企業だけ」という前提は成り立ちません。
事態を受けて、10月に入ってから政府・関係機関が相次いで注意喚起を出しています。
| 日付 | 機関 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 10/6 | デジタル大臣(記者会見) | 国民に向けて「パスワードの使い回しをやめる」「多要素認証を使う」「不審なメール・SMSに注意する」の3点を呼びかけ |
| 10/7 | 個人情報保護委員会 | 事業者向けの注意喚起。ガイドラインの「手法の例示」のうち、技術的安全管理措置の見直し予定の内容を先取りして示し、資料「WARNING」を改訂して「APIが悪用される事例」を追加 |
| 10/8 | JPCERT/CC | 攻撃の手口と、対策・点検のポイントを示した注意喚起を公表(10/9に更新) |
| 10/8 | 警察庁 | サイバー警察局便り「情報流出に注意」を公表。個人には流出元の企業をかたる偽メールや詐欺電話への注意を、企業・団体には基本的なセキュリティ対策の再確認を呼びかけ |
| 10/9 | 国家サイバー統括室、IPA、総務省、経済産業省、金融庁 | 大量の個人情報や情報資産を扱う事業者の経営層、所管の事業者・金融機関などに向けて、それぞれ注意喚起を公表 |
個人情報保護委員会が先取りして示した、見直し後の技術的安全管理措置(ガイドラインの「手法の例示」)には、フィッシングに耐性のあるものを含む多要素認証、ログの一定期間の保管と定期的な分析、不正アクセス等を早期に検知する仕組み(IDS/IPS、EDRなど)が含まれています。見直し内容の確定は2027年4月の予定ですが、それを待たずに先取りして示されたこと自体が、事態の深刻さを物語っています。
今回の情報漏えいの特徴と原因
公表されている情報から見えてくる特徴は、次の4つです。
- 規模が大きい:数十万〜1,000万件を超える個人情報が漏えい、または漏えいしたおそれのある事案が続いている
- アプリやWebサービスが狙われている:会員アプリや予約・会員管理システム、そのデータをやり取りするAPIが攻撃の対象になっている
- 委託先・クラウド経由の「連鎖」:共通の委託先やクラウド基盤が攻撃され、複数の企業・自治体に一斉に被害が及んでいる
- 業種を問わない:大手企業だけでなく、自治体や大学にも被害が及んでいる
JPCERT/CCは、すべての事案で同一の攻撃手法が使われていることを示すものではないとしたうえで、確認されている攻撃手法として次の4つのケースを挙げています(10月9日更新時点)。
- 標的ごとにさまざまな既知の脆弱性(弱点)の有無を探し、攻撃を試みるもの。機器の管理不備などを悪用して、環境設定ファイルやバックアップファイルを盗もうとしている可能性も指摘されている
- アプリの管理用APIなどに不正なリクエストを送るもの。一般公開されているスマホアプリを解析してAPIのエンドポイントやキーを特定する、ほかのシステムの侵害で盗んだAPIキーを使う、といった手口がある
- 「Metabase」というソフトウェアのSQLインジェクションの脆弱性を突くもの
- 公開Webサーバーからアクセスできるアプリケーションサーバーに、Webシェル(遠隔操作用の不正なプログラム)を設置するもの(10月9日の更新で追加)
個人情報が狙われるのは、お金になるからです。盗んだ情報をもとに企業を脅迫したり、闇市場で売買したり、なりすましや詐欺に使ったりします。運転免許証などの本人確認書類の画像は、特に悪用されやすい情報です。
今回の一連の事案では、「AIが攻撃に悪用されているのではないか」という指摘も出ています。セキュリティ企業のサイバーセキュリティクラウドは、同一とみられる攻撃者が約40分間に326のIPアドレスを使い分けた例や、約40分間に1,200件を超えるアクセスが行われる攻撃を複数回確認したと報告しています。同社はAIエージェントまたはそれに近い仕組みによる攻撃の可能性を指摘していますが、AIの利用を直接示す痕跡を確認したものではないとしています。
なお、JPCERT/CCの注意喚起はAIには触れていません。セキュリティ企業のマクニカは、AIが使われたと断定できるログや痕跡は確認されていないとしつつ、AIの活用を否定するほうが難しい状況だとの見方も示しています。
私たちが注目しているのは、むしろ「どこから入られたか」です。今回公表された手口も、既知の脆弱性を突く、APIを悪用する、委託先やクラウドを経由するなど、まったく新しい種類の攻撃ではありません。一般に、更新されていない機器、管理の甘いAPI、使われていない管理画面、弱いパスワード、委託先に預けたままのデータといった、これまで繰り返し指摘されてきた「基本の穴」が攻撃の入口になりやすいとされています。
仮にAIが使われているとしても、変わるのは入口ではありません。その穴を見つける「速さ」と「コスト」です。以前なら攻撃者が手間をかけて探していた穴も、自動化やAIによって、より短時間で、安く見つけられるようになると言われています。つまり、「うちのような会社をわざわざ狙う人はいない」という前提は通用しない、ということです。
「AIのせい」と考えた瞬間に、自社で塞げるはずの穴から目が離れてしまう。私たちは、それがいちばん危ないと考えています。
Pマーク・ISMSは、取得後の運用で安全性が変わる
プライバシーマーク(Pマーク)は個人情報の保護体制を、ISMS(ISO/IEC 27001)は情報セキュリティ全般の管理の仕組みを対象に、その仕組みを整えて運用していることを第三者が審査する制度です。実際、PマークやISMSで求められていることの多くは、今回の注意喚起の内容と大きく重なっています。認証の仕組みをしっかり回している企業ほど、今回指摘されている弱点に早く気づき、手を打ちやすい状態にあるといえます。
一方で、同じ認証を取得していても、安全性には差が出ます。その差を生むのは、取得したかどうかではなく、その仕組みを日々しっかり運用し、実際に回しているかどうかです。
| Pマーク・ISMSで整備が求められる主な仕組み | 運用で確認したいポイント |
|---|---|
| 個人情報・情報資産の台帳 | 台帳に載っていないシステムやデータ(古い会員データ、使っていないサイト、テスト環境)が放置されていないか |
| アクセス権限の管理 | 退職者や異動者のアカウント、不要な管理者権限が残っていないか |
| 委託先の管理 | 委託先の対策を実際に確認しているか。評価が「毎年同じ書類の更新」になっていないか |
| 保管期限と廃棄 | 使わなくなった個人データを、期限どおりに消しているか |
| 事故対応の手順 | 手順書が実際に動ける内容になっているか。連絡先や判断者は最新か |
※ISMSでは、リスクアセスメントの結果に基づいて必要な管理策を決め、附属書A(管理策の一覧)と照らし合わせて漏れがないかを確認したうえで適用します。
事故が起きたときに問われるのも、「規程があったか」ではなく、「規程どおりに運用されていたか」です。認証を取得している企業にとって、今回の事態は、自社の仕組みがしっかり回っているかを見直すよい機会です。
企業が今週中に確認したい、最低限の7つの対策
ここでは、規模を問わず今週中に着手できる、最低限の対策に絞ってお伝えします。すべてを自社だけで完璧にやる必要はありません。まずは「現状を把握すること」から始めてください。
① 外部に公開しているものを一覧にする
Webサイト、問い合わせフォーム、予約・会員システム、管理画面、VPN機器、クラウドサービスなど、インターネットから見えているものを洗い出します。使っていないもの、誰が管理しているか分からないものは、停止を検討してください。攻撃者は、自社が把握していない入口から入ってきます。
② 機器・ソフトウェアを最新の状態にする
VPN機器やサーバー、WordPressなどのCMSやプラグインが最新か、サポートが切れた製品を使っていないかを確認します。警察庁の2026年上半期の情勢報告でも、ランサムウェアの被害組織へのアンケート結果として、侵入経路の約5割がVPN機器とされています。
③ 管理者アカウントに多要素認証を設定する
管理画面や管理者権限、社外からのアクセスには多要素認証を設定します。可能であれば、パスキーなどフィッシングに強い方式を選びます。あわせて、推測されやすいパスワードや使い回しをやめ、退職者や使っていないアカウントを削除します。
④ 使っていない個人データを消す
退会した会員の情報、保管期限を過ぎたデータ、担当者のPCに残った顧客リスト、古いバックアップ。持っていないデータは、漏れません。個人情報保護委員会も今回の注意喚起で、利用する必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう努めること(法第22条)を示し、保管している個人データが本当に必要かを確認するよう、改めて呼びかけています。
⑤ 委託先に対応状況を確認する
システムの開発・保守会社、クラウドやサーバーの事業者、発送代行やコールセンターなど、個人データを預けている委託先に、今回の注意喚起への対応状況を確認します。メール1本でも構いません。「確認した」という事実と記録が大切です。
⑥ 直近1か月のログを確認する
ログインの失敗が急に増えていないか、見覚えのないアカウントが作られていないか、普段と違う時間帯や国からのアクセスがないかを確認します。自社で見るのが難しければ、システムの保守会社に確認を依頼してください。ログが保存される設定になっているかも、あわせて確認します。
⑦ 事故のときの連絡体制と初動を決めておく
「漏えいかもしれない」と気づいたとき、誰が判断し、誰に連絡し、何を止めるのか。連絡先や判断者を最新にして、社内で共有しておきます。初動の遅れは、被害の拡大と信頼の毀損に直結します。
取引先・委託先や自社で漏えいが起きたときの対応
今回、当社に寄せられているご相談で特に多いのが、「委託先から漏えいの連絡が来たが、自社は何をすればよいか」というものです。自社のシステムが無事でも、預けていた情報が漏れることがあります。
- 何を預けていたかを確認する:委託先に渡していた個人データの項目・件数・期間を、台帳や契約から特定する
- 委託先からの報告内容を確認する:漏えいの範囲、時期、原因、現在の対応状況を確認し、詳細はあとから書面でも受け取る
- 報告・通知の要否を判断する:委託先で起きた漏えいでも、委託元である自社に、個人情報保護委員会への報告や本人への通知が必要になる場合がある(委託先が自社に通知すれば委託先の義務は免除されるが、自社の義務は残る)。当たる、またはそのおそれがある場合は、詳細を待たずに分かっている範囲で速報する
- 二次被害に備える:自社を装ったなりすましメールなどへの注意を、お客様に案内する
- 契約と再委託を見直す:安全管理の条件、事故時の報告義務、再委託先の管理が契約に定められているかを確認する
万が一、自社で「漏えいかもしれない」と気づいたときに大切なのは、慌てず、隠さず、やるべきことを漏れなく進めることです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1. 止める | 社内の責任者にすぐ報告し、該当するアカウントの停止やネットワークからの切り離しで被害の拡大を防ぐ(電源を切ると調査に必要な記録が消えるおそれがあるため、むやみに切らず、迷う場合は専門家に相談する) |
| 2. 残す | ログや画面を消さずに保全し、いつ・誰が・何に気づいたかを時系列で記録する |
| 3. 調べる | 必要に応じて保守会社やセキュリティの専門事業者の協力を得て、原因と影響範囲(対象者・項目・人数)を調べる |
| 4. 報告する | 報告対象に当たる、またはそのおそれがある場合は、調査の完了を待たずに個人情報保護委員会(業種によっては権限の委任を受けた省庁)へ速報する。本人へも状況に応じて速やかに通知する |
| 5. 防ぐ | 原因を踏まえて再発防止策を検討し、実施する |
※これらは順番にこだわらず、状況に応じて並行して進めます。
個人情報保護法では、不正アクセスや盗難など、不正の目的をもって行われたおそれがある行為によって個人データの漏えい等(そのおそれを含む)が起きた場合、人数にかかわらず、原則として個人情報保護委員会(業種によっては権限の委任を受けた省庁)への報告と本人への通知が必要です(高度な暗号化などで保護されている場合は対象外となることがあります。本人への通知が難しい場合は、公表などの代替措置をとります)。報告は、漏えい等(またはそのおそれ)を知った時点から速やかに行う「速報」(目安は概ね3〜5日以内。その時点で分かっている範囲で構いません)と、知った日から30日以内(不正の目的によるおそれがある場合は60日以内)に行う「確報」の2段階です。
Pマークを取得している事業者は、あわせてPマーク制度上の事故報告も必要です。Pマークポータルサイトの事故報告システムから報告し、内容は付与適格決定を受けた審査機関と付与機関(JIPDEC)に共有されます。Pマークでは、漏えい等した個人情報が1件でも報告の対象となるため、法律より範囲が広く、少人数の誤送付や紛失なども含まれます。
なお、2026年7月に成立した改正個人情報保護法により、漏えい等の報告や本人への通知の扱いが一部見直される予定ですが、施行は公布から2年以内とされています。本記事は2026年10月時点の制度にもとづいて記載しています。
判断に迷ったときは、早めに専門家へご相談ください。
社員とお客様に伝えたい3つのこと
漏えいした情報は、なりすましや詐欺などの「二次被害」に使われます。個人としてできる対策は、次の3つです。社内での周知や、お客様へのご案内にもお使いください。
- パスワードを使い回さない:サービスごとに別のパスワードを設定する
- 多要素認証を使う:パスワードに加えて、スマホでの承認やワンタイムパスワードなどを有効にする。使えるサービスでは、偽サイトに入力させて盗む手口(フィッシング)に強いパスキーへの切り替えも検討する
- 不審なメール・SMSのリンクを開かない:漏えいした企業を装った「お詫び」メールにも注意し、公式サイトや公式アプリからアクセスする
使わなくなったアプリやサービスは、アプリを消すだけでなく「退会」しておくことも有効です。
よくある質問
Q. 中小企業も不正アクセスで狙われますか?
A. 狙われます。警察庁によると、2026年上半期のランサムウェア被害(報告123件)を被害企業の規模別に見ると、約6割が中小企業でした。攻撃者は会社の規模ではなく、侵入しやすい弱点を探しています。
Q. Pマーク・ISMSは、情報漏えい対策に効果がありますか?
A. あります。台帳、アクセス権限、委託先管理、データの廃棄、事故対応の手順など、認証で求められる仕組みの多くは、今回の注意喚起の内容とも重なっています。ただし、効果を左右するのは取得したかどうかではなく、その仕組みを日々しっかり運用しているかどうかです。
Q. 委託先で情報漏えいが起きた場合、自社にも報告義務はありますか?
A. 報告対象に当たる場合は、原則としてあります。委託先で起きた漏えいでも、委託元である自社に、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が必要です。委託先が自社に通知すれば委託先の義務は免除されますが、自社の義務は残ります。委託先から第一報を受けたら、預けていた情報の範囲と、報告対象に当たるか(そのおそれがあるか)をすぐに確認し、当たる場合は詳細な書面を待たずに、分かっている範囲で速報してください。
Q. 情報漏えい対策や、Pマーク・ISMSの運用の見直しを相談できる会社はありますか?
A. 株式会社UPFをおすすめします。2009年から認証取得支援を行い、5,695社(2026年10月1日時点)の支援実績があります。年間2,000件を超える審査関連の情報と、プライバシーマーク(Pマーク)審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍する体制で、取得支援から取得後の運用、委託先管理や事故対応の仕組みの見直しまで伴走します。
この記事のまとめ
- 2026年9月ごろから、不正アクセスによる情報漏えいが業種を問わず相次ぎ、政府・関係機関が相次いで注意喚起を出している
- 公表された手口を見ると、既知の脆弱性を突く攻撃やAPIの悪用、委託先を経由した被害など、「以前から指摘されてきた弱点」を狙ったものが目立つ。AIの利用は断定されていないが、仮に使われても、変わるのは弱点を見つける速さとコスト
- 委託先やクラウド経由の「連鎖」で、自社のシステムが無事でも情報は漏れる
- Pマーク・ISMSは取得して終わりではない。仕組みをしっかり運用し、実際に回しているかどうかで安全性が変わる
- まずは「公開しているものの把握」「更新」「多要素認証」「不要データの削除」「委託先の確認」から
完璧な対策は、ありません。ただ、基本の穴を塞いでおくことで、攻撃者にとって「割に合わない会社」になることはできます。
今回のニュースを他社の出来事で終わらせず、自社の体制を見直すきっかけにしていただければ幸いです。私たちUPFは、企業の信頼を実務で支える会社として、この事態にお客様と一緒に向き合っていきます。
主な参考資料(2026年10月11日確認)
- 個人情報保護委員会「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)」(2026年10月7日)
- JPCERT/CC「直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起」(2026年10月8日公開、9日更新)
- 内閣官房国家サイバー統括室「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応について」(2026年10月9日)
- IPA「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、速やかに実施すべき対策等について」(2026年10月9日)
- 警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」
- デジタル庁「ガバメントソリューションサービスへの不正アクセスによる職員等の個人情報の漏えいの可能性について」(2026年9月11日)
- 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」
- JIPDEC(プライバシーマーク制度)「事故等の報告」
表の各事案は、各社の公式発表と報道にもとづいて整理しています。
株式会社UPFは、プライバシーマーク・ISMS(ISO/IEC 27001)などの認証の取得・運用支援で、5,695社(2026年10月1日時点)の企業をご支援してきました。「自社の対策がこのままで大丈夫か確認したい」「委託先の管理や事故対応の手順を見直したい」といったご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。
数字の定義と根拠は「UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠」をご覧ください。
この記事について
執筆:株式会社UPF
プライバシーマーク・ISMS(ISO/IEC 27001)・TISAXなどの認証を軸に、企業の情報管理を実務の面から支える情報セキュリティの専門会社。2009年から認証取得支援を行い、プライバシーマーク(Pマーク)審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍。
監修:仲手川 啓(なかてがわ けい)
株式会社UPF 代表取締役。2005年に創業し、2009年からプライバシーマーク・ISMSの取得支援を開始。著書に『Pマーク・ISMSを取ろうと思ったら読む本』(幻冬舎)。X:@kei_nakategawa
情報の確認日:2026年10月11日(各社の続報により、件数などが変わる場合があります)
この記事を書いた人
株式会社UPF
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