秘密保持契約(NDA)
秘密保持契約(NDA)とは
秘密保持契約は守秘義務契約とも呼ばれ、契約する相手との間で共有する業務内容について当事者以外の人や会社にその内容を漏らすことを禁止する契約です。守秘しなければならない内容は開発情報や営業秘密、個人情報など多岐にわたりますが、営業秘密については不正競争防止法で定められている条件を満たしている必要があります。
日本国内において、秘密保持契約を締結するのは法人間であることが多いです。たとえば、仕事を発注する企業と受注する企業の間で締結され、受注する企業は業務を行うために発注する企業から得られる情報について第三者に口外してはならないという契約が一般的です。
しかし、国外では法人と個人の間で締結されることも少なくありません。企業に雇われている社員に対して、業務で知り得た情報について口外しないというNDAを締結するのです。この契約にサインした社員は同じ企業に勤めている同僚であっても業務内容を話すことができないなど厳しい制約下に置かれます。加えて、企業が社員に対して提示するNDAは期限が定められているものの企業を退職してからも有効であることが多くなっています。
これは、社員が同業他社に転職した際に自社の情報をライバル企業に知られないために行う施策でもあります。
秘密保持契約は法律上の守秘義務ではなく、契約上の義務です。そのため契約違反をした場合でも法律上の刑罰を受けることはありませんが、損害賠償請求や差止請求を受ける可能性はあります。
秘密保持契約(NDA)のお役立ち情報
秘密保持契約は社内で業務が完結する企業において役立てる場面がないと考えられがちですが、企業と個人という間で契約を締結することによって情報流出を避けられるというメリットがあります。どんな企業であってもライバル企業は存在し、自社の機密情報を守る意味はあるのです。
特にIT業界やゲーム業界といったコンピュータ関係の企業においては社員の行き来が活発なため、秘密保持契約を締結しておかないと知らないうちに情報が他社に流出する可能性があります。社員の退職後まで効力がある秘密保持契約は、秘密を保持する期限が数年間という期間に限定されることがほとんどです。
そのためその期間が過ぎれば他社に情報が流れることはありますが、その時点での最新情報ではないため価値が高い情報というわけではありません。
また、秘密保持契約を社員の採用時に活用することも可能です。特に新卒採用においては、現在ではインターネットの就活サイトに筆記試験や面接試験の内容が書き込まれることが珍しくなくなっています。
そうなると事前に対策をされてしまい、受験者の本当の実力が分からなくなってしまうのです。そういったことを防ぐために、就職希望者との間に採用試験の内容を漏らさないという秘密保持契約を締結しておくことは非常に有効なのです。
情報へのアクセスが容易になったいま、企業や個人との間に秘密保持契約を結ぶことで情報流出を防ぐことは欠かせないことになりつつあるのです。
この記事を書いた人
株式会社UPF
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