Pマークで最低限必要な12の記録 その2
前回からプライバシーマーク(Pマーク)を運用するときに必要となる12種類の記録について書いていますので、今回もこのテーマで記事を進めたいと思います。
個人情報のリスクの認識、分析および対策に関する記録
個人情報を保護するためにはまず個人情報に対して現状どのようなリスクがあるか、あるいはどんなリスクが生じるおそれがあるかをはっきりさせておかなければなりません。さらには明確にしたリスクを軽減するための手段を講じなければなりません。
プライバシーマーク(Pマーク)取得においてはこのような活動を“リスクの認識、分析、対策”といいます。
そしてこの一連の活動は記録しておく必要があります。「リスク分析表」などの名称を付けた表にリスクをリストアップし、その程度の大小や対策を一つ一つ記載するのです。これが「個人情報のリスクの認識、分析および対策に関する記録」です。
計画書
プライバシーマーク(Pマーク)取得会社は計画書を記録の一つとして作るよう求められていますが、この「計画書」とは何でしょうか。
少し漠然としていますが、プライバシーマーク(Pマーク)がいう「計画書」とはつまり個人情報保護マネジメントシステムを実施するに当たって必要な目標や目標達成の方法を定めたもののことです。
たとえばプライバシーマーク(Pマーク)にのっとって会社は監査を定期的に行わなければなりません。あるいは従業員の教育を行わなければなりません。これらはすべて事前に立てる計画に基づいて実行すべきであって、その計画を定めるのが「計画書」であるわけです。
もちろんプライバシーマーク(Pマーク)取得で必要なのは監査計画書と教育計画書だけではありません。他にも会社として計画を立てることが必要と判断される活動(たとえばマネジメントレビューなど)があれば、それについても自主的に計画書を作成することができるでしょう。
利用目的の特定に関する記録
個人情報を取得する場合は必ず利用目的を定めなければなりません。これは個人情報保護法で定められていることです。
プライバシーマーク(Pマーク)を取得・更新している会社であれば、利用目的を定めるだけでなく、それを記録して会社として持っている必要があります。
開示対象個人情報に関する開示等の求めへの対応記録
個人情報についてお客様本人などから何らかの請求があった場合、プライバシーマーク(Pマーク)取得会社には速やかにそれに応じる義務があります。
「開示等の求め」とは、「利用目的を通知してください」とか「個人情報の内容を開示してください」、「個人情報を削除してください」、「内容を訂正してください」などの要求のことです。
まとめ
これらの請求自体も本人から書面で提出してもらうのがよいのですが、相手方からの請求の内容だけでなくこちら側の対応の内容についても記録に残しておくことが必要です。記録があれば適切に対応していることを客観的に証明することができます。
・こちらの記事もおすすめです
→【Pマークって日本だけ?】
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
国内で感染が拡大しているエモテット「Emotet」についての対応
現在、国内で「Emotet(エモテット)」が猛威を振るっており、当社クライアントにおいて多数感染が報告され相談依頼が急増しております。 <IPA> https://w […]
株式会社三菱UFJ銀行で不正アクセス?原因と対策について解説!
株式会社三菱UFJ銀行は2019年10月25日に、提供しているサービス「LCMS」の認証システムで不正アクセスが発生したと公表しました。不正アクセスによって、顧客の個人情報などが流 […]
株式会社スタジオラインで不正アクセス?原因と対策について解説!
株式会社スタジオラインは2019年10月24日に、運営しているサービス「MODERN BEAUTY TOKYO」で不正アクセスが発生したと公表しました。不正アクセスによって、顧客の […]
株式会社JIMOSで不正アクセス?原因や対策について解説!
株式会社JIMOSは2019年10月15日に、運営していた「酒蔵.com」が何者かのサイバー攻撃を受けたと発表しました。サイバー攻撃によって、顧客の個人情報が流出し、二次被害が懸念 […]
ホビボックス株式会社で不正アクセス?原因と対策について解説!
ホビボックス株式会社は2019年10月9日に、運営している通信販売サービス「ECオーダー.com」が何者かによって不正アクセスを受けたと公表しました。不正アクセスによって、顧客の個 […]