SCS評価制度とは?経営者が今、押さえておくべき要点
経済産業省とIPAが進める「SCS評価制度」は、企業のセキュリティ対策レベルを★で可視化する新しい仕組みです。取得自体は任意ですが、実際には取引先からの要請が引き金になります。取引条件として突きつけられてから動くのが、最もコストの高い進め方です。
★3と★4は、別物と考える
まず動き出すのは★3と★4の二段階です。
- ★3(基礎レベル)は要求事項26件。自社で自己評価を行い、有資格のセキュリティ専門家が確認・助言する形式で、有効期間は1年。
- ★4(標準レベル)は要求事項43件。指定評価機関による実地審査に加え、脆弱性検査などの技術検証を伴い、有効期間は3年です。
同じ制度の中の段階違いに見えますが、社内にかかる負担も費用感も、この二つは別物と捉えたほうが判断を誤りません。なお★5は今後の検討事項とされています。
動くのは、この秋から
IPAの公開情報では、次のようにされています。
- ★3・★4の運用開始は2027年3月頃の予定
- 申請方法は2026年10月頃に公開予定。IPAへの登録料は2026年9月18日に公表済み(★3:1年分10,000円、★4:3年分60,000円。★3は2028年4月1日以降20,000円)
- 指定評価機関の公表は2026年12月頃の見込み
制度の輪郭がはっきりするのは、この秋から冬にかけてということになります。
経営者が今やっておくべき三つのこと
- 自社が★いくつを求められる立場かを見極める。 判断軸は自社の規模ではなく、取引先にとってのサプライチェーン上の重要度です。
- 主要取引先の動向をつかむ。 発注元が★4を目指すなら、その要請は必ず下流に流れてきます。
- 既存のISMS・Pマークの運用を棚卸しする。 要求事項の考え方には重なる部分があり、既存の枠組みが機能している企業ほど準備は軽くなる——というのが、認証支援の現場を見てきたUPFの見立てです(既存認証との相互認定が公式に示されているわけではない点はご留意ください)。
なお、制度開始前から「SCS対応」を掲げた不適切な勧誘について、経済産業省が注意喚起を出しています。判断材料は必ず一次情報でご確認ください。UPFでも制度の動向は継続的に追っています。
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
AIMS(ISO/IEC 42001)取得の効果を最大化する7つの活かし方|取得企業が少ない今こそ差別化につなげる方法
AIMS(ISO/IEC 42001)の国内の認証登録組織は、ISMS-ACの公表でまだ13件(2026年9月29日時点)。取引条件として求められる前の今こそ、先行者として選ばれる好機です。AIサービスの差別化、顧客の質問への回答、AIの事故防止、ルール変化への備えまで、UPFが7つの活かし方を解説します。 […]
ISMS(ISO27001)取得費用の総額はいくら?【2026年版】審査費用・コンサル費用・3年間の維持費用まで
ISMS(ISO27001)の取得費用を、認証機関に支払う審査費用の決まり方、コンサル費用、社内の工数、見落としがちな実費まで含めた「総額」で解説。毎年のサーベイランス審査と3年ごとの再認証審査を含めた、3年間の費用の考え方もまとめました。 […]
Pマーク取得費用の総額はいくら?【2026年10月改定後】審査費用・コンサル費用・見落としがちな費用まで
Pマークの取得費用を、2026年10月改定後の審査費用(小規模336,600円〜)、コンサル費用、社内の工数、見落としがちな実費まで含めた「総額」で解説。事業者規模の判定方法や、取得から最初の更新までの費用もまとめました。 […]
【2026年10月】東京でAI社内ガイドライン策定を頼めるおすすめ会社10社比較|料金・成果物・所在地一覧
東京都内でAI(生成AI)社内利用ガイドラインの策定を依頼できる10社を、料金・成果物・所在地・得意分野で比較。料金を公開しているUPF(15万円〜・税別)と大塚商会の違い、費用相場、失敗しない選び方まで解説します。 […]
【2027年1月適用】TISAXの新基準「VDA ISA2027」とは?変更点5つと、自動車サプライヤーが年内に決めるべきこと
TISAXの評価基準の新版「VDA ISA2027」が2026年7月1日に公表され、2027年1月1日以降に発注される評価から適用されます。主な変更点5つと、新規取得・更新予定の企業が年内に決めるべきことを解説します。 […]