日本工業規格(JIS)
日本工業規格(JIS)とは
日本工業標準調査会の答申を受けて主務大臣が制定する工業標準のことを指し、工業標準化法に基いて定められる日本の国家標準の1つとなります。標準化は、製品の形や大きさ、性能、測定方法などを、一定の取決めに従って統一をしていく活動のことをいい、標準化によって作りだされた取決めを標準、取決めを文書化したものが規格となります。
標準化の説明には1904年2月に発生したアメリカのボルチモアでの火災が用いられますが、ここでは、消火活動のためにアメリカ各地から多くの消防団が駆けつけたにも関らず、現在の金額で約2兆円という巨額の損失が発生しています。大きな理由として、現地の消火栓と駆けつけた消防団のホースが合わなかったことがあり、つまり、標準化が行われていないことが被害の拡大につながっています。
日本工業規格(JIS)は、1949年に制定された工業標準化法に基き制定された国家規格となっており、規格が具現化された製品の全てには、JISマークが付けられます。JISマークは日本工業規格(JIS)に基いた品質が保証されていることを意味しており、消費者は安心して商品を購入をすることができます。
例えば、福祉用具にJISマークが付いている場合には、用具として一定レベルの安全性を保っていることを意味しており、車椅子や介護用ベッドなど、様々な製品に見ることができます。因みに、よく耳にするISOは、国際標準化機関が定める規格のことを指し、国際規格として利用されます。
日本工業規格(JIS)のお役立ち情報
日本工業規格(JIS)の発行の流れは、調査研究・JIS原案作成、主務大臣からJISC、JIS原案の審議・議決を経て主務大臣によるJISの制定となり、見直しは5年以内に行われます。規格番号の読み方は、例えば、JIS A 1234 ( -1)という番号であれば、Aが分野を表す部分記号、1234が番号、(-1)が枝番号となります。
日本工業規格(JIS)は、標準化の役割を知ることで、より理解をすることができます。
まず1つに、共通したものを使うことで理解がしやすくなり、例としては、トイレや車椅子、喫煙のタバコマークなどの案内用図記号を上げることができます。
2つ目としては製品やメーカーが異なっても利用できることがあり、1例としては、乾電池やボルト・ナット、コンセント、紙のサイズなどがあります。また、品質や性能を保つ役割があり、分かりやすい例としては、消しゴムの字消し能力の規定や、鉛筆などの寸法・芯の硬度表示などの規定があります。
JISマークは様々な製品に付与されており、他にも、安全性の確保に対する役割や、社会のニーズから実践され制定されたものも数多くあります。
日本工業規格(JIS)はPマークにも関係があります。Pマークはプライバシーマーク制度で認定された企業に対して与えられますが、ここでの適合性の評価に関しては、日本工業規格(JIS)が定めた「個人情報保護マネジメントシステムの要求事項(JIS Q 15001)」に基いて行われます。
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株式会社UPF
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