Pマークテストの方法とPマーク教育について解説!

【2026年10月時点の注記】
本記事は2022年10月の公開時点の情報をもとにしています。JIS Q 15001は2023年に改正され、プライバシーマークでは2024年10月1日から「構築・運用指針【JIS Q 15001:2023準拠】」に基づく申請受付が始まっています。
この記事のポイント
- Pマークを維持するには、すべての従業員に対する教育を少なくとも年に1度のペースで実施しなければならない
- 教育には「個人情報保護方針」「PMSの重要性と利点」「PMSのための役割と責任」「PMSに違反した場合の結果」の4項目を含める必要がある
- 対象は、パート、アルバイトから会社の社長や役員までのすべての従業員
- テストの実施義務はないが、受講者の理解度を確認する方法として、すべての従業員にテストを実施した方がよい
目次
プライバシーマーク(Pマーク)教育ってなに?
Pマークを取得するにあたり、企業側はすべての従業員に対して、企業が持っている個人情報を正しく取り扱えるように教育する責任があります。この教育を総じて、「プライバシーマーク(Pマーク)教育」と言います。
Pマーク取得後も、維持し続けるためには、すべての従業員に対する教育を少なくとも年に1度のペースで実施しなければなりません。とって終わり、ではないのがPマーク。ここできちんと何をすべきかを復習しておきましょう。
個人情報保護教育が必要な理由とは
個人情報の重要性や取扱方法に関する知識が乏しい状態では、従業員の個人情報保護に対する意識が向上しません。そういった状況では、「セキュリティインシデント(情報セキュリティに関する事故や攻撃に遭うなどの事象)」が発生しやすくなってしまいます。
もし仮にセキュリティインシデントが発生した場合、会社の信用が失われることとなり、最悪の場合、会社が倒産の危機に陥ることもあります。
セキュリティインシデントが、発生してしまった場合、適宜対処をするしかありませんが、少なくとも普段の業務から「予防」をすることができます。そこでセキュリティインシデントが発生しないように、すべての従業員に対して定期的な教育を実施することが求められているのです。
プライバシーマーク(Pマーク)教育で求められることとは
プライバシーマーク(Pマーク)教育を行うにあたり、重要となる項目が4つありますので、早速見ていきましょう。
- 個人情報保護方針
- 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の重要性と利点
- 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)のための役割と責任
- 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)に違反した場合の結果
これらの4項目を含んだ教育を実施する必要があります。
まずは教育対象者を確認する
では、プライバシーマーク(Pマーク)教育の対象者は誰なのでしょうか。
対象となる従業員は、パート、アルバイトといった従業員から会社の社長や役員までのすべての従業員が対象となります。パートやアルバイトだから対象とならない、ということはありません。この点をしっかりと意識しましょう。
※例外として、育児や介護、病気などで長期間休業中の従業員は教育の対象とはなりません。
教材や教育方法を考える
プライバシーマーク(Pマーク)教育には、上述したように重要な4項目があり、それらを必ず含んだ教材を考える必要があります。具体的にどういった内容を含める必要があるのか、早速確認していきましょう!
- 個人情報保護方針の教育
プライバシーマーク(Pマーク)では、「自社の個人情報保護方針の内容を常日頃から確認し、認識しておく」ということが求められています。よってプライバシーマーク(Pマーク)教育においては、自社の個人情報保護方針にどういった内容が書かれているか、どうすれば確認できるかといった内容を含めて作成しましょう。 - 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の重要性と利点の教育
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の構築と運用を何故行うのか、どういったメリットがあるのかということを従業員に伝え、理解をしてもらう必要があります。 - 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)のための役割と責任
個人情報保護マネジメントシステム(PMS)を運用するにあたり必要とされる「個人情報保護管理者」と「個人情報保護監査責任者」は、それぞれどのような役職で、どのような役割があるのかを説明する必要があります。 - 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)に違反した場合の結果
セキュリティインシデントが発生することで「損害賠償」「取引停止」「信用失墜」「倒産」といったリスクがあることを教育に盛り込む必要があります。
以上が、含めるべき内容となります。これらの重要事項を、どのように教育していけばよいのでしょうか。
集合教育
従業員を会議室などに1ヶ所に集め、(人数が多い場合は、複数回に分ける)講義形式で教育を行うのが集合教育。一番スタンダードな方法と言えるかもしれません。
集合教育では、教育担当者から従業員に対して言葉で直接伝えることができますし、質疑応答の時間を設けることもできるため、より理解が深まります。
テキストを配布してテストを行う
テキストを配布するという方法もあります。集合教育をする場所や時間がない場合、すべての従業員に対してテキストを配布し、各自でテストを行ってもらうことで、比較的手軽に実施できます。
eラーニング形式
eラーニングを取り入れる企業も増えています。インターネットで教育を実施することで、受講者のリアルタイムな受講状況を一括管理できるため、抜けもれが発生しづらいというメリットがあります。
動画教育
動画を使う方法もあります。それぞれの従業員が空いている時間に、動画を再生して学ぶのが動画教育。個々のタイミングで学ぶことができるため、効率よく実施することができます。
大切なのは、自社に最適な方法で教育を行うこと
一般的な4つの教育方法をご紹介しました。
| 教育方法 | 内容・メリット |
|---|---|
| 集合教育 | 従業員を会議室などに1ヶ所に集め、講義形式で教育を行う。質疑応答の時間を設けることもできるため、より理解が深まる |
| テキストを配布してテストを行う | すべての従業員に対してテキストを配布し、各自でテストを行ってもらう。比較的手軽に実施できる |
| eラーニング形式 | インターネットで教育を実施する。受講者のリアルタイムな受講状況を一括管理できるため、抜けもれが発生しづらい |
| 動画教育 | それぞれの従業員が空いている時間に、動画を再生して学ぶ。個々のタイミングで学ぶことができるため、効率よく実施できる |
それぞれ長所と短所がありますが、それぞれの企業によって適した教育方法は異なります。自社の規模感や、勤務形態などに合わせて、なるべく従業員の業務の妨げにならないような形で教育を行うことが適切です。
すべての従業員に関して、テストを行った方がいいの?
正しくプライバシーマーク(Pマーク)について正しく理解できているか、テストを実施することがあります。しかし、実はプライバシーマーク(Pマーク)の取得や更新において、このようなテストの実施義務はありません。
ですが、プライバシーマーク(Pマーク)で必須とされる項目の中に「受講者の理解度を確認すること」とあります。つまり、理解度を確認するための最も適した方法として、すべての従業員に対してテストを実施した方がよい、というわけです。
実施したテストや教育内容の見直しを行う
実際にテストを実施し、その結果をチェックすることで、従業員が苦手とする問題や、得意とする問題を把握することができます。なかでも、多数の従業員が正解できなかった範囲を次回のプライバシーマーク(Pマーク)教育で重点的に扱うことで、さらに理解を深めることが可能です。
このように、従業員向けテストの実施や、テスト結果に応じた教育を行うことで、従業員は正しい知識を身につけることができ、さらなるスキルアップにもつながっていきます。
プライバシーマーク(Pマーク)教育の実施時期やその頻度
プライバシーマーク(Pマーク)教育は、年に一度のペースで、すべての従業員に対して実施する必要がありますが、実施時期に決まりはありません。また、すべての従業員に対して一斉に実施する必要も特にないので、部署や仕事内容に合わせて柔軟にスケジュールを組みましょう。
またこれらの定期の教育に加えて、企業によっては、中途採用者が入った場合には、入社直後に必ずプライバシーマーク(Pマーク)教育を行うケースもあります。そうすることで、すべての社員に対して漏れなく個人情報保護について学んでもらう機会を設けることができます。
審査時に確認される6つのポイントとは
教育を実施したら、次は審査があります。実際の審査では、どのような点が見られるのでしょうか。
実際の審査では、事業者のもとに審査員が訪れて、計画書、報告書、実施したテストの記録を確認します。またその際に、以下の6つのポイントを中心に、運用状況に関してチェックされることになりますので、正しく答えられるように準備しておきましょう。
- いつ
- 誰が
- どんな教材を用いて実施したか(「プライバシーマーク(Pマーク)教育で求められることとは」に記載のある4項目が含まれているか)
- 理解度が分かるもの
- 受講者
- 承認者
毎年、教材は変える必要あるの?
保有企業から、「毎年、教材を変える必要はあるのですか?」という質問があがることがあります。
結論から言うと、毎年教材を変えたり、難しい内容にしたりする必要はありませんが、必ず以下の4項目を含んだ上で教育を行い、従業員の理解を深めることが何よりも大切です。
- 個人情報保護方針
- 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の重要性と利点
- 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)のための役割と責任
- 個人情報保護マネジメントシステム(PMS)に違反した場合の結果
ISMS教育とプライバシーマーク(Pマーク)教育の違いとは?
プライバシーマーク(Pマーク)教育とISMS教育の違いは、次のとおりです。
| 区分 | 教育の決まり |
|---|---|
| プライバシーマーク(Pマーク)教育 | 前述してきた通り、年に1回以上の実施が必要となっており、内容に関しても4項目を必ず含める必要がある |
| ISMS教育 | 具体的な教育内容が定められていない。そのため、企業の実態に合わせ、自由に決めることができる |
ISMS教育では、以下のような項目を企業の実態に合わせ、自由に決めることができます。
- どのような教育を行うか
- 受講者は誰なのか
- どのようにスキルアップしてほしいか
- 教育の範囲はどうするか
一般的にプライバシーマーク(Pマーク)とISMSの両方を取得している企業では、プライバシーマーク(Pマーク)教育を実施した上で、その結果をもとにISMSとプライバシーマーク(Pマーク)の審査を受けるという流れが多いと言われています。
まとめ
今回は、プライバシーマーク(Pマーク)教育やプライバシーマーク(Pマーク)テストの方法について詳しく解説してきました。
この記事のまとめ
- 年1回の教育をするとともに、実施する際にはまず計画を立て、実施後には報告書を作成し保管することで、来年の教育に備える
- すべての従業員に、個人情報の重要性や取扱方法に関する知識を正しく身につけてもらうことが何よりも重要
年1回の教育をするとともに、プライバシーマーク(Pマーク)教育を実施する際には、まずは計画を立てること。そしてプライバシーマーク(Pマーク)教育の実施後には、報告書を作成し保管することで、来年の教育に備えることが大切です。
そしてプライバシーマーク(Pマーク)教育では、すべての従業員に、個人情報の重要性や取扱方法に関する知識を正しく身につけてもらうことが、何よりも重要となってきます。プライバシーマーク(Pマーク)の取得・更新はもちろん大切ですが、社内でセキュリティインシデントが発生してしまわないように、きちんと教育を行なって、理解を深めていきましょう。
株式会社UPFには、業界トップクラスを誇る実績に基づく、プライバシーマーク(Pマーク)教育のノウハウがございます。教育実施でお悩みの企業様・ご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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よくある質問(FAQ)
Q. Pマーク取得にはどのくらいの期間・費用がかかりますか?
A. 一般的に6〜12ヶ月、費用相場120万円〜(審査料金:2026年10月以降の新規申請で小規模約34万円・中規模約69万円〈税込〉+コンサルティング費用)です。株式会社UPFは税抜き49万円〜・業界トップクラスの実績で最短サポートを提供します。
Q. コンサル会社なしで自社だけで取得できますか?
A. 可能ですが多大な工数が必要です。コンサル利用で大幅に工数削減でき、審査通過率も向上します。
Q. Pマーク・ISMSはどんな企業が取得すべきですか?
A. 個人情報を扱う企業全般が対象です。特にIPOを目指す企業、大企業との取引企業、EC・医療・教育機関に強く推奨されます。
📋 監修・執筆者情報
株式会社UPF コンサルティング部門
プライバシーマーク(Pマーク)審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍する、Pマーク・ISMS取得コンサルティング専門会社。業界トップクラスの支援実績を持ち、新規取得から更新・運用まで一貫サポートを提供。
株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
株式会社UPF
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