Pマークにおける明示がいらない5つの例外的ケース その2

【2026年10月時点の注記】
本記事は2017年7月の公開時点の情報をもとにしています。JIS Q 15001は2023年に改正され、プライバシーマークでは2024年10月1日から「構築・運用指針【JIS Q 15001:2023準拠】」に基づく申請受付が始まっています。
通常個人情報を取得する場合はその利用目的などを本人に対して明示することが必要です。しかし例外的に明示がいらない場面があります。前回に引き続き解説してまいります。
この記事のポイント
- 通常、個人情報を取得する場合は利用目的などを本人に対して明示することが必要だが、例外的に明示がいらない場面がある
- 国の機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに協力する必要がある場合で、利用目的を知らせることによって事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるときは、明示がいらない
- 取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合(名刺交換、デリバリーサービス、来訪者の氏名の記入、配達でのサインなど)も、明示がいらない
- 単に利用目的の明示を省略したいがために、あれもこれも“取得状況からみて利用目的が明らかである”ケースに含めてしまうのは、Pマークにおいて不適合と見なされる
公務に支障を及ぼすおそれがある場合
プライバシーマーク(Pマーク)の規格書であるJIS Q 15001には次のように書かれています。
「国の機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって,利用目的を本人に通知し,又は公表することによって当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」
どのような状況がこのケースに該当するのでしょうか。
たとえば、あるプライバシーマーク(Pマーク)取得会社が被疑者に関する個人情報を警察から受け取ったとします。その事件は公開手配が行われておらず、被疑者の個人情報は犯人であるその人が立ち回る可能性がある会社として警察から限定的に提供されたものです。
このような場合にもしそのプライバシーマーク(Pマーク)取得会社が取得した個人情報の利用目的などを被疑者本人に知らせたとすれば、警察の捜査活動に著しい支障を及ぼすおそれが出てくるのではないでしょうか。
したがってこういったケースでは個人情報に関する明示する必要がないと規定されているのです。
利用目的が明らかな場合
この点はプライバシーマーク(Pマーク)(Pマーク)の規格書であるJIS Q 15001の中で「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」と明記されています。
以下のような個人情報の取得行為は“取得状況からみて利用目的が明らかである”と認められます。
- たとえば名刺交換、これは一般的な営業活動において行われる限り利用目的が明らかです。ただしDMなどのためにその名刺の情報を用いることは名刺の基本的な利用目的から外れますので注意が必要です。
- デリバリーサービスにおいて個人情報を取得すること、これも受取人を特定するためであることが明白です。
- 来訪者に入り口で氏名を記入してもらうこと、これも状況からみて入館管理目的であることが明らかである限り該当します。
- ほかにも配達でサインをもらうこと、これもまた受取確認のための方法として社会一般で行われている個人情報取得行為ですので問題ないでしょう。
取得状況からみて利用目的が明らかであるケースというのは以上のとおりいくつか考えられます。しかし注意しなければならないことがあります。
目的が明白でも注意しなければいけない場合
注意が必要なこととは、単に利用目的の明示を省略したいがためにあれもこれも“取得状況からみて利用目的が明らかである”ケースに含めてしまうのはプライバシーマーク(Pマーク)において不適合と見なされるということです。
取得状況と利用目的が一致しない場合や、取得後に利用目的が更新される可能性のある場合というのは多数存在しますので、あくまで利用目的が明らかな場合というのは極めて例外的に扱うべきです。
今回取り上げた2つのケースを整理すると次のとおりです。
| 例外的ケース | JIS Q 15001の記載 | 該当する例 |
|---|---|---|
| 公務に支障を及ぼすおそれがある場合 | 「国の機関又は地方公共団体が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって,利用目的を本人に通知し,又は公表することによって当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき」 | 警察から被疑者に関する個人情報を受け取った会社が、その個人情報の利用目的などを被疑者本人に知らせると、警察の捜査活動に著しい支障を及ぼすおそれが出てくる場合 |
| 利用目的が明らかな場合 | 「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」 | 名刺交換、デリバリーサービスでの個人情報の取得、来訪者に入り口で氏名を記入してもらうこと、配達でサインをもらうこと |
まとめ
直接書面で取得するにしてもそれ以外の方法で取得するにしても、プライバシーマーク(Pマーク)を持っている会社は個人情報の取得に際して利用目的などを明示する必要があるというのが原則です。
原則と例外を明確に理解し、自社の個人情報管理手順に正しい理解が反映されるようにしてください。
この記事のまとめ
- 直接書面で取得するにしてもそれ以外の方法で取得するにしても、個人情報の取得に際して利用目的などを明示する必要があるのが原則
- 原則と例外を明確に理解し、自社の個人情報管理手順に正しい理解が反映されるようにする
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株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
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この記事を書いた人
株式会社UPF
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