情報セキュリティスペシャリストとは|資格の取得とメリットについて
情報セキュリティの重要性が高まり、それに伴い企業や市場において情報セキュリティ対策の知見を持つ人材のニーズが高まっています。
社内の情報セキュリティ対策や自身の市場価値をあげるため、情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)の資格を受けるか迷ってる方が沢山いると思います。本記事では情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)の資格を取得するメリットやその該当について解説します。
目次
情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)とは
情報セキュリティスペシャリスト試験はIPAによって2016年まで実施されていた情報処理技術者試験です。2017年から情報処理安全確保支援士試験に変更されました。
(以下、情報処理安全確保支援士と記載します)
情報処理安全確保支援士の資格を取得することでサイバーセキュリティの専門スキルや専門知識を持つことを証明することが出来ます。
情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)になるためには
情報処理安全確保支援士になるためには、試験に合格すること、講習に参加することが必要です。情報処理安全確保支援士試験に合格すると「支援士になる資格を有する者」という位置付けになります。
情報処理安全確保支援士として活動するには、試験合格後に2種類(共通講義・実戦講義)の講習に参加しなければなりません。この講義に参加することで情報処理安全確保支援士として活動することが認められます。
また、毎年オンライン講義の受講と3年単位で実施される集合講習に参加し、資格の更新をしなければなりません。
試験の概要
では、情報処理安全確保支援士試験の概要について説明します。
1.難易度と出題
試験内容や試験の難易度は、変更前の情報セキュリティスペシャリスト試験から大きな変化はなく、難易度は同程度だと言われています。情報処理安全確保支援士試験の合格率は16〜19%になっています。
2.費用
試験受験料や上記で説明した講義の費用は下記の通りです。
受験費 | 5,700円 | |
試験後の講義受講料 | 登録手数料 10,700円 | 登録免許証勢 9,000円 |
資格の更新 | オンライン講義 20,000円 | 集合講義 80.000円 |
情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)の需要
情報処理安全確保支援士の需要は、今後増加していくことが予想されます。
近年、多くの企業では情報を活用しています。それに伴い情報セキュリティインシデントも増えています。一度発生してしまうと企業に大きな影響が生じてしまうため、情報セキュリティの強化の重要性が高まっているのです。
そのため、情報セキュリティに関する専門的な知識や、スキルを持つ情報処理安全確保支援士の需要が高まることが予想されます。
情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)の仕事
では、情報処理安全確保支援士の仕事には、一体どのようなものがあるのでしょうか。
1.企画
ITシステムや運用状態に必要なセキュリティシステムの企画・提案を行います。
ISMSやプライバシーマークなど情報セキュリティに関連の資格取得を目指す企業も増えており、取得の提案や取得に必要なシステム強化や研修を担当することが可能な人材ニーズも高まっています。
2.実装
設計したものを元に、セキュリティシステムの実装を行います。OSの設定やネットワーク機器、プログラミングの知識が求められます。
3.運用
セキュリティシステム実装後に行うのが運用業務になります。日々進化するセキュリティインシデントに備え、セキュリティシステムのアップデートも必要になります。また、セキュリティインシデントの発生後の対応も行います。
情報処理安全確保支援士の取得メリット
情報処理安全確保支援士の資格を取得することに、どのようなメリットがあるのでしょうか。3つ紹介します。
1.スキルの証明
情報セキュリティに関するスペシャリストであることを証明することが可能になります。情報処理安全確保支援士はIT系で初の士業となり、資格を取得すると名刺にロゴマークを使用することが出来るようになります。
税理士や弁護士のように、資格だけで仕事を獲得することは難しいですが、セキュリティに関する専門性を持つ人材の需要が高まっており、チャンスを拡大させることが可能になります。
2.機密度の高い案件への参画
官公庁などの案件には、情報処理安全確保支援士の資格を持っていることが案件参画条件にあることがあります。このように、機密性が高い案件などに参画することが可能になります。
3.JP-RISSAへの入会
資格を取得すると、一般社団法人情報処理安全確保支援士会への入会が可能になります。
一般社団法人情報処理安全確保支援士会は、勉強会や情報交換を通したスキルの向上を測ることの出来るコミュニティです。さらに、情報処理安全確保支援士検索サービスへの登録が可能になります。企業などはこのサービスを利用し、情報処理安全確保支援士を探すため、活躍の機会を増やすことにも繋がります。
その他の資格
情報処理安全確保支援士のように、セキュリティエンジニアとしてキャリアアップを目指す際に取得をおすすめしたい資格があります。
・CCIE
セキュリティ分野における最高難易度の資格になります。Cisco System社が運用しているCCIEはかなり難易度が高く、グローバル的に希少価値がある資格になります。
・CISM
CISMも同様にグローバル的にも評価されている資格です。情報セキュリティの管理とマネジメントに関する知識や経験を証明することが出来る資格です。
情報処理安全確保支援士の取得を考えている社内の情報セキュリティ担当者様へ
社内の情報セキュリティ担当になり、セキュリティ対策のために資格の取得を検討されている方も多くいらっしゃると思います。情報セキュリティ対策では、社員の情報セキュリティに関するリテラシーや意識を向上させることやシステムの運用体制が重要になります。すなわち、会社全体での対策が必要になります。
会社として情報セキュリティ対策をする際におすすめなのが「pマーク」や「ISMS」の取得になります。これらは、取得の際に社内の情報セキュリティの整備や教育が必要になります。取得する過程で情報セキュリティ対策が可能になり、取得による信頼性の向上や新たなビジネスチャンスの拡大も期待できます。
まとめ
本記事では情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)資格取得のメリットやその概要について解説しました。情報セキュリティ対策の知見を持つ人材の需要が高まっています。情報セキュリティの知識やスキルを証明することの出来る情報セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
また、社内の情報セキュリティ対策を向上させるため、「pマーク」や「ISMS」の取得も検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社UPFでは、1981社のプライバシーマーク取得をサポートしてきた業界No.1を誇る実績があります。
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