ISMAPのメリット、登録方法まで徹底解説!

【2026年10月時点の注記】
本記事は2023年6月の公開時点の情報をもとにしています。制度・料金・統計などは、公開後に変更されている場合があります。最新の情報は無料相談でご確認ください。
ISMAPは2020年6月から運用が始まっています。2021年3月に初めてISMAPのクラウドサービスリストが公開され、四半期ごとに更新されています。
この記事では、ISMAPの解説から、登録の流れ、登録によるメリットについて記載しています。担当者はこの記事を読んでISMAPの取得を検討しましょう。
この記事のポイント
- ISMAPは「政府情報システムのためのセキュリティ制度」で、2020年6月から運用が始まっている
- ISMAPでは「管理策」と呼ばれる基準が設けられ、クラウド事業者が選択した管理策を外部評価機関が「評価」する
- 登録申請が受理されてから6か月以内に登録の判断がされ、最短でも3か月程度はかかる
- 登録のメリットは「信頼性の向上」「ビジネス機会の創出」「企業の情報システム担当者の負担軽減」
目次
ISMAPについて
「ISMAP(イスマップ)」は、内閣サイバーセキュリティセンター・情報通信技術(IT)総合戦略室・総務省・経済産業省が運営する「政府情報システムのためのセキュリティ制度」の事です。「Information system Security Management and Assessment Program」の略称がISMAPです。
ISMAP施行の経緯
2018年6月、政府情報システムを整備する際には、クラウドサービスを第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト原則」が提示されました。各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定における「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」として提案されていて、日本政府においてもクラウドサービスを全面的に利用することに決めました。
しかし、この時点では日本は国家としてクラウドサービスの安全性を評価し、認定する仕組みがありませんでした。
クラウドサービスの利用においては、セキュリティ面でのリスクが伴うこととなります。特に政府情報システムにおいて扱われる情報は、個人情報や機密情報等も含まれるため安全性の確保が必須です。これを受けて評価・認定制度を策定する事となり、施行されたのがISMAPということです。
ISMAPの特徴について
ISMAPでは、統制の目標を実現する為にクラウド事業者が選択して、満たすべき事項として、「管理策」と呼ばれる基準が設けられています。選択した「管理策」を、外部評価機関が「評価」することになります。「管理策」と「評価」には、それぞれ次のような特性があります。
管理策について
管理策の構成
管理策は、「①ガバナンス基準」「②マネジメント基準」「③管理策基準」の3つの基準で構成されています。
| 基準 | 内容 | 管理策の実施 |
|---|---|---|
| ①ガバナンス基準 | ISO/IEC27014をベースに作成されていて、会社のセキュリティガバナンスの要求事項を記載する項目です。 | 全ての管理策が必須 |
| ②マネジメント基準 | ISO/IEC27001をベースに作成されていて、情報セキュリティマネジメントの確立の要求事項を記載する項目です。 | 全ての管理策が必須 |
| ③管理策基準 | ISO/IEC27002/27017、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の「政府機関等のセキュリティ対策の為の統一基準」、National Institute of Standards and Technology(NIST) Special Publication 800-53の内容を組み合わせて構成する項目です。 | 必須の管理策と選択適用の管理策がある |
必須の管理策
クラウド事業者は、管理策のうち「①ガバナンス基準」「②マネジメント基準」について、全ての管理策が必須となるため、全てを実施する必要があるでしょう。
「③管理策基準」については、必須の管理策と選択適用の管理策があります。必須の管理策は全ての実施が必須ですが、選択適用の管理策は「管理策の選定」で選択する管理策を実施しましょう。
評価基準について
評価には、「整備評価」と「運用評価」があります。
| 評価の種類 | 内容 |
|---|---|
| 整備評価 | 評価の対象期間内の一時点において統制が整備されているのか評価する |
| 運用評価 | 整備した統制が評価対象期間を通じて有効に運用されているかの評価 |
本制度では「整備評価」と「運用評価」も実施されます。
※なお、本制度の施行から1年以内に登録を行うクラウドサービスにおいては「整備評価」のみ実施されます。
ISMAP登録の流れ
ISMAP登録の流れは、次のとおりです。
- ISMAP管理基準に従って、内部の情報セキュリティの仕組みを構築、整備し、運用を行います。
- 添付書類を含む言明書を作成し、「ISMAP監査機関リスト」に登録されている監査機関に対して監査を依頼しましょう。
- 経営者確認書を監査機関に提出して、実施結果報告書を入手し、そのうえで登録申請書を作成します。
- さらに必要書類を添付し、ISMAP運営支援機関のIPAに提出します。
ISMAP登録の期間
ISMAPポータルサイトによれば、クラウドサービス事業者が登録申請を行い、受理されてから6か月以内に登録の判断をするとされています。最短でも3か月程度はかかるでしょう。
ただし登録申請を行うまでに、基準に準じた方針や体制の確立、書類準備、指定監査機関による審査が必須となります。申請するサービスの大きさ、各社での体制の準備状況、監査法人サイドの対応可能なスケジュール次第で登録までの期間が異なる事は理解しておきましょう。
ISMAP認定を受けるためには
ISMAPクラウドサービスリストへ登録される為には、次のような準備をする必要があります。
- 適用範囲の検討や方針の決定
- リスク分析
- 書類の作成
- 対策の成果
- 内部監査を実施
- ISMAP監査機関から監査実施
- IPAへ登録の申請
適用範囲の検討や方針の決定
ISMAP登録を目指すサービスの範囲を決め、スケジュール作成と取り組みの基本的な方針を決定します。
リスク分析
情報資産の特定とリスク分析を行います。明らかとなったリスクに対してISMAPで定められる要求事項と基準を全て満たすため、統制目標と個別管理策を設定しましょう。
書類の作成
必要な規定書類を作成します。
対策の成果
対策を実施し、その成果の状況を確認します。
内部監査を実施
ISMAP監査機関が行う監査の前に、クラウドサービス事業者やその支援サービス提供者による内部監査を行います。内部監査の実施は任意ですが、実際の監査の前に対策実施や状況確認の為に重要です。
ISMAP監査機関から監査実施
ISMAP監査機関から監査を行う機関を選び、契約締結、監査を実施します。
IPAへ登録の申請
監査の結果など、ISMAPへの登録申請時に必要となる書類を準備し、IPAへ登録申請を行います。
ISMAP登録の費用
ISMAP運営支援機関に費用を支払う必要はありません。ですが、監査機関に調査を依頼するため、監査費用が必要となります。また登録支援のコンサルティングを依頼する場合には、その費用も必要となります。これらは、機関や会社により費用が異なるため注意しましょう。
こちらも登録までの期間と同様に、申請するサービスの大きさ、各社での体制の準備状況、監査法人サイドの対応可能なスケジュール次第で登録までの期間が異なる事は理解しておきましょう。
ISMAP登録によるメリット
ISMAPの登録を受けることで、事業者側にはいったいどのようなメリットがあるのか、解説していきます。
- 信頼性の向上
- ビジネス機会の創出
- 企業の情報システム担当者の負担軽減
信頼性の向上
ISMAPのクラウドサービスは、政府が求めるセキュリティ要求を満たしているものが登録されます。セキュリティの安全性について政府から認証を得ていると言えるので、信頼性が向上すると言えます。
民間企業向けの調査で「クラウドサービス導入で1番不安なのはセキュリティ」という回答が20%を超えていたことから、セキュリティの安全性は重要であると言えます。
ビジネス機会の創出
各政府機関は、ISMAPクラウドサービスのリストに記載されているクラウドサービスの内から調達することを原則にしています。
そのため、ISMAPに登録されることは信頼が向上するだけでなく、政府からのお墨付きを得られると言えるでしょう。そうすると、安心感が大きくなり、民間企業でもISMAPに登録されているクラウドサービスを選ぶ流れになる事も考えられます。ISMAP登録はガバメントクラウドの要件にもなっているので、登録を検討しましょう。
企業の情報システム担当者の負担軽減
クラウドサービスの導入検討の際、企業の情報システム担当者は自社のセキュリティ基準を満たす製品やサービスを選定する必要があります。しかし、チェックし、選定することは非常にISMAPを活用することで、一定のセキュリティ基準が満たされている為、担当者はサービスリストに登録されているサービスの中から自社が求めている要件にマッチしているか否かのみで選ぶことが可能です。そのため、業務の効率化にも役立つと言われています。
まとめ
ISMAPは、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度で、ISMAP認定を民間企業が受けることで得られるメリットが理解できたのではないでしょうか。
この記事のまとめ
- ISMAPは政府情報システムのためのセキュリティ評価制度で、「管理策」と外部評価機関による「評価」で構成される
- 登録には、ISMAP監査機関による監査とIPAへの登録申請が必要で、申請の受理から6か月以内に登録の判断がされる
- 登録により、信頼性の向上やビジネス機会の創出、企業の情報システム担当者の負担軽減といったメリットがある
セキュリティを強化し、認定を受けることが企業のビジネス機会を創出します。
プライバシーマーク(Pマーク)も評価認定を受ける制度です。取得することで個人情報管理が管理されていることを証明でき、信頼を得る事が出来ます。この機会にぜひプライバシーマーク(Pマーク)取得、更新を検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社UPFには、業界トップクラスを誇る実績に基づく、プライバシーマーク(Pマーク)教育のノウハウがございます。
教育実施でお悩みの企業様・ご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. Pマーク取得にはどのくらいの期間・費用がかかりますか?
A. 一般的に6〜12ヶ月、費用は相場120万円〜(審査料金:2026年10月以降の新規申請で小規模約34万円・中規模約69万円〈税込〉+コンサルティング費用)です。ただし株式会社UPFでは税抜き49万円〜・最短スケジュールでのサポートを提供しています。業界トップクラスの実績で効率的に取得をサポートします。
Q. コンサル会社を使わずに自社だけでPマークを取得できますか?
A. 可能ではありますが、書類作成・社内体制整備・審査対策など多くの工数が必要で、専任担当者が必要になります。コンサル会社を利用することで大幅に工数を削減でき、審査通過率も高まります。
Q. Pマーク・ISMSはどんな企業が取得すべきですか?
A. 個人情報を扱う企業全般が対象ですが、特に上場・IPOを目指す企業、大企業・官公庁との取引企業、EC・医療・教育機関などに強く推奨されます。どちらの認証が適切か、株式会社UPFの無料相談でご確認いただけます。
※ 本記事は2023年6月時点の情報をもとに、株式会社UPFが監修・執筆しています。Pマーク・ISMSに関する最新情報は無料相談でご確認ください。
株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
【業界別】製造業サプライヤーのSCS評価制度への備え|★3・★4を取引先から求められる前に整えておきたいこと【2026年11月時点】
「取引先から、セキュリティ対策の状況についてのアンケートが届くようになった」 「SCS評価制度の★を取っておいた方がいいのか、判断がつかない」 製造業のサプライヤーから、こうしたご […]
【業界別】広告・マーケティング・コールセンター・DM発送会社のPマーク取得・更新|委託先として選ばれ続けるための論点と、支援会社の見直し方
広告・マーケティング支援、コールセンター、DMの印刷・発送代行。 これらの仕事に共通するのは、お客様(委託元)の大切な顧客情報を、業務のためにお預かりするという点です。 個人情報保 […]
【業界別】AIサービスを提供する企業のAIMS(ISO/IEC 42001)取得|取引先への説明責任と差別化のために、いま整えておきたいこと
AIを組み込んだSaaSや、AIの受託開発、AIを活用した業務サービスを提供している会社では、取引先から次のような質問を受けることが増えていないでしょうか。 「お預けしたデータは、 […]
【業界別】自動車部品・ソフトウェアサプライヤーのTISAX取得|取引先から求められたときの進め方と、ISA2027を見据えた支援会社の選び方
「取引先から、TISAXのラベルを取得してほしいと言われました。何から始めればよいでしょうか」 自動車業界のサプライヤーから、こうしたご相談をいただく機会が増えています。 TISA […]
【業界別】受託開発・SaaS・クラウド事業者のISMS(ISO27001)取得・更新|チェックシートに強くなる進め方と、支援会社を見直すタイミング
受託開発やSaaS、クラウドの運用を手がける会社にとって、取引先から届くセキュリティチェックシートは、もはや日常業務のひとつではないでしょうか。 数十から数百の設問に、根拠をもって […]