プライバシーマーク維持のポイント(その1:教育)
プライバシーマークを取得した企業がその後、毎年実施すべき業務は
台帳の見直し事項などいくつかありますが、最も大切な業務は全従業
者が関係する教育と監査です。
毎年、教育と監査についてキチンと実施している企業は、他の見直し業
務もキチンと対応されていると判断してほぼ間違いがありません。
まず、教育については、プライバシーマークの認定基準になっている
JISQ15001:2017では4項目の要求事項(①個人情報保護方針。
②PMS〔個人情報保護マネジメントシステム〕に適合することの重要性
及び利点。③PMSに適合するための役割及ぶ責任。④PMSに違反した
際に予想される結果)があります。
しかし、その要求事項のみの教育を毎年行うとマンネリ化し、「また
同じ教育か」と思われて受講者も身に入りません。
そこで、参加者が興味を持って参加する形式の教育が必要です。
例えば、最近発生し大事件になった他社の個人情報漏えい事件等を取
り上げて、参加者でどこに問題があったのかを検討することなどは、
各人が自分で個人情報について考える機会にもなり有効な方法ではな
いかと思います。
その場合、結論を出すことよりも、人による問題点の捕らえ方の違いな
どを理解をすることが重要です。
また、現在行っている自社の業務について、個人情報保護の観点から取
扱いのポイントや想定リスクと対策について議論するなども有効な教育
方法であると思われます。
但し、このような実践的な教育のみを実施した際は、JISの教育に関す
る上記の4項目の要求事項を満たしていませんので、例えば、教育終了
後の理解度テストの問題に4項目に関する問題を入れて4項目に対応す
るなどの方法でカバーすることが必要になります。
また、教育を行う際に注意すべき点は、JISでは従業者全員に適切な教
育を行うことが規定されていることです。
しかし、例えば、派遣スタッフを派遣している一般派遣の派遣会社は、派
遣スタッフについては、従業者教育の一環として、実務に就業する前のオ
リエンテーションの中でPMSの教育を実施することが望ましいとされて
いますので注意が必要です。(ただし、簡易な教育の実施で良く、従業者
と同じ内容の教育である必要はありません。)
また、例えば、IT企業で業務請負や委任契約などにより自社事務所内で
勤務している委託先要員については、委託先の要員であるため従業者の
教育の対象にはなりませんが、実態としては社員と同様に業務を実施し
ているので、自衛策として、教育の対象者に加えて同様な教育を実施す
ることが重要であると思われます。
また、中途入社した従業者については、個人情報の取り扱い業務に従事
する場合は従事する前のオリエンテーション等の中で、簡単でもいいの
で個人情報保護教育を実施することが必要です。
この場合は、受講者に理解度の確認を行うなどの作業までは求められて
はいないという解釈で良いが、教育実施の記録を残すことは必要です。
以上
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
AI社内利用規定の整備が急務に──国際規格ISO/IEC 42001をベースにしたルール策定の重要性
生成AIツールの普及が急速に進むなか、企業内でのAI活用に関するルール整備が大きな課題となっています。 弊社にも、ここ数か月で「AI社内利用規定」の策定支援に関するご相談が急増して […]
Chatworkを悪用したフィッシング攻撃が増えています——手口と、企業が今すぐやるべき対策
2026年に入ってから、Chatworkを悪用したフィッシング攻撃の報告が国内でじわじわと増えています。 「まさかチャットツールで?」と思う方もいるかもしれませんが、むしろ今はメー […]
ISMS(ISO/IEC 27001)認証取得の完全ガイド|5,413社支援の実績から見えた、失敗しない取得戦略
ISMS(ISO/IEC 27001)認証取得を検討中の企業向け完全ガイド。取得の流れ・期間・費用・失敗パターンを5,413社の支援実績をもとに解説。認証BPO日本一のUPFが、自社取得とBPO活用の比較から選び方まで網羅します。 […]
AIツールの社内利用規定を整備すべき理由とその進め方
エンジニアリングの現場において、Claude Code(クロードコード)を業務に取り入れる動きが急速に広まっています。 Anthropicが開発したこのAIエージェント型コーディン […]
7/23・24『第3回バックオフィスDXPO東京’24【夏】』に出展します
2024年7月23・24日、東京ビックサイト西1・2ホールにて開催の、 管理部門の業務効率化・DX推進のための展示会 第3回バックオフィスDXPO東京’24【夏】に出展します。 ご […]