Pマークに関連したM&Aの話
M&Aとは2つ以上の会社を合併させたり会社を買収したりすることで、企業の経営を発展させるために行われる一般的な手法です。M&Aはいまや大手の企業だけでなく中小企業においても需要と関心が高まっています。
一見プライバシーマーク(Pマーク)取得の話とは関係なさそうなM&Aの話題ですが、実は関係があります。
プライバシーマーク(Pマーク)の規格であるJIS Q 15001の中には2箇所ほど次のような表現が登場するのを皆さんはご存知でしょうか?
「合併その他の事由による事業の承継に伴って個人情報が提供された場合であって…」
これは「本人にアクセスする場合」と「個人情報を第三者に提供する場合」の例外規定の中に出てくる表現で、かいつまんで言うと、「それらの場合において本来は本人の同意が必要だけど、合併などで個人情報が別の会社に渡った場合は同意を再度更新する必要がないケースもあります」ということです。
合併という事業承継さえよくわからないという方もいらっしゃるかもしれませんが、プライバシーマーク(Pマーク)の規格にはさらに「その他の事由」とまで書かれており、ますます意味不明になりそうです。
そこで簡単に「合併その他の事由による事業の承継」に何が含まれるかを説明します。主に3つの種類があります。
合併
一つ目は最もよく知られた「合併」です。合併とは一番基本的なM&Aの手法で、2つの会社が1つになることです。もちろん2つ以上の会社が合併することもあります。
合併の中にも、A社とB社を合併して新たにC社を作るという「新設合併」と、A社の中にB社を合併してしまうという「吸収合併」があります。
会社分割
二つ目は「会社分割」です。会社分割とは会社が持っている事業を部分的に他の会社に承継させる行為です。
会社分割の中にも、会社の事業を“新たに設立した”会社に継がせるという「新設分割」と、会社の事業を別の“既存の”会社に継がせるという「吸収分割」があります。
会社分割も合併と同じく事業承継の一つですが、大きな違いを挙げるとすれば会社分割は引き継ぐ範囲が限定的であるということです。引き継がせたほうの会社は必ずその後も残りますし、引き継ぐほうの会社も組織再編計画の段階でどの事業を引き継ぐかを選定することができます。
事業譲渡
三つ目は営業譲渡ですが、株式会社などの通常の会社では「事業譲渡」という用語が使われます。事業譲渡とは会社が事業を他に譲渡することです。
事業が移転するという点で会社分割と似ていますが、事業譲渡は会社法上の組織再編行為に含まれないため実際の手続きが大きく異なります。
まとめ
以上、プライバシーマーク(Pマーク)にも関連のある話題ということでM&Aのことを記事にさせていただきました。
プライバシーマーク(Pマーク)取得会社においても合併などのM&Aが生じるケースはありますので、その場合は個人情報の管理や取り扱いについて法律や規格に抵触しないよう事前に綿密な計画を立てることが求められます。
・こちらの記事もおすすめです
→【Pマークって日本だけ?】
この記事を書いた人
株式会社UPF
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