フリーランスでもPマークを取得できますか?

【2026年10月時点の注記】
本記事は2017年5月の公開時点の情報をもとにしています。JIS Q 15001は2023年に改正され、プライバシーマークでは2024年10月1日から「構築・運用指針【JIS Q 15001:2023準拠】」に基づく申請受付が始まっています。
「フリーランスでもプライバシーマーク(Pマーク)を取得することはできますか?」というご相談を受けることがあります。
個人情報保護に対する関心が高まっている今、企業のような法人だけでなく個人事業主にも個人情報保護の対策を取ることが期待されているのは確かです。
そしてこのような状況を受けて「自分の所もプライバシーマーク(Pマーク)を取得したほうが良いのでは」と課題意識を感じるフリーランスの方がいらっしゃるのもまた大変好ましいことです。
これは仕事上取り扱う個人情報を適正に保護したいという高いプロ意識の表れに他なりません。
ただし実際にフリーランスがプライバシーマーク(Pマーク)を取得し継続的に更新していくということはできるのでしょうか?
この記事のポイント
- フリーランスだからプライバシーマーク(Pマーク)が取得できないということはない
- ただし、プライバシーマーク(Pマーク)を更新しつつ運用していくためには、組織内にメンバーが2人以上必要
- 「個人情報保護管理者」と「個人情報保護監査責任者」の2つの役割を、経営者が両方とも担うことはできない
- 1人で事業を行っている現状のままでは取得は不可だが、今後従業員を雇用すれば取得も現実に可能
フリーランスでも取れないことはない
フリーランスだからプライバシーマーク(Pマーク)が取得できないということはありません。
ここでいう「フリーランス」とは会社に所属せず個人で仕事をする人のことですが、プライバシーマーク(Pマーク)の規格書であるJIS Q 15001を見ると「事業を営む法人,その他団体又は個人」がPマークの取得可能な事業者とされていることがわかりますので、個人だからといって取得できないというわけではないと考えることができます。
でも要員は2人以上必要
ですが最大の問題は人数です。
プライバシーマーク(Pマーク)を更新しつつ運用していくためには、組織内にメンバーが2人以上必要なのです。
これは経営者以外にも「個人情報保護管理者」と「個人情報保護監査責任者」という2つの役割を組織内に置く必要があるからです。
「経営者が2つともやっちゃえば?」と思われるかもしれませんが、残念ながらそれはできません。
この2つの役割は次のとおりです。
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 個人情報保護管理者 | プライバシーマーク(Pマーク)の運用を指揮していく人 |
| 個人情報保護監査責任者 | その運用が適切かどうかを監査する人 |
この2つの役割を同じ人が担ってしまうとどうでしょうか。
監査の本来の目的がうまく果たされなくなり、個人情報保護の取り組みに必要な改善がなされなくなってしまうおそれがあります。
そのためプライバシーマーク(Pマーク)では少なくとも2人、同じ事業者内の人間として「個人情報保護管理者」と「個人情報保護監査責任者」を任命する必要があると規定されているわけです。
現状では取得が難しくてもPマーク取得を意識することは重要です
現状では多くのフリーランスが従業員を雇用せず1人で事業を行っています。
そのような場合、現状のままでプライバシーマーク(Pマーク)を取得することは適格性に欠けるため不可という結論になります。
もっとも今後従業員を雇用することがあればプライバシーマーク(Pマーク)の取得も現実に可能です。
仮に現時点でプライバシーマーク(Pマーク)を取得することができなくても、プライバシーマーク(Pマーク)で要求されていることを学習して実践することはどの事業者にとっても価値のある取り組みと言えます。
個人情報を取り扱う業務を受注するような事業者であればなおのことそうです。
まとめ
そういうわけでフリーランスで仕事をしていらっしゃる方々にも役立つプライバシーマーク(Pマーク)に関する情報をもっとお届けしていきたいと思っているところです。
★こちらの記事もおすすめです!
→【シャレにならない新ルール(EUの個人情報保護)【GDPRでISMS取得も有効な対策】】
株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
株式会社UPF
同じテーマの記事はこちら
【業界別】製造業サプライヤーのSCS評価制度への備え|★3・★4を取引先から求められる前に整えておきたいこと【2026年11月時点】
「取引先から、セキュリティ対策の状況についてのアンケートが届くようになった」 「SCS評価制度の★を取っておいた方がいいのか、判断がつかない」 製造業のサプライヤーから、こうしたご […]
【業界別】広告・マーケティング・コールセンター・DM発送会社のPマーク取得・更新|委託先として選ばれ続けるための論点と、支援会社の見直し方
広告・マーケティング支援、コールセンター、DMの印刷・発送代行。 これらの仕事に共通するのは、お客様(委託元)の大切な顧客情報を、業務のためにお預かりするという点です。 個人情報保 […]
【業界別】AIサービスを提供する企業のAIMS(ISO/IEC 42001)取得|取引先への説明責任と差別化のために、いま整えておきたいこと
AIを組み込んだSaaSや、AIの受託開発、AIを活用した業務サービスを提供している会社では、取引先から次のような質問を受けることが増えていないでしょうか。 「お預けしたデータは、 […]
【業界別】自動車部品・ソフトウェアサプライヤーのTISAX取得|取引先から求められたときの進め方と、ISA2027を見据えた支援会社の選び方
「取引先から、TISAXのラベルを取得してほしいと言われました。何から始めればよいでしょうか」 自動車業界のサプライヤーから、こうしたご相談をいただく機会が増えています。 TISA […]
【業界別】受託開発・SaaS・クラウド事業者のISMS(ISO27001)取得・更新|チェックシートに強くなる進め方と、支援会社を見直すタイミング
受託開発やSaaS、クラウドの運用を手がける会社にとって、取引先から届くセキュリティチェックシートは、もはや日常業務のひとつではないでしょうか。 数十から数百の設問に、根拠をもって […]