個人情報取扱事業者の義務である安全管理措置について【Pマーク取得の基礎知識】
【2026年10月時点の注記】
本記事は2016年10月の公開時点の情報をもとにしています。JIS Q 15001は2023年に改正され、プライバシーマークでは2024年10月1日から「構築・運用指針【JIS Q 15001:2023準拠】」に基づく申請受付が始まっています。個人情報保護法はその後も改正が行われており、2026年7月に公布された改正の内容は「【2026年7月公布】改正個人情報保護法で何が変わるか Pマーク運用に効く5つの論点」で解説しています。
Pマークの現地審査へ向けたご質問の中で、「安全管理措置に関して不安がある」という方がたくさんいらっしゃいますが、おそらく、そもそも「安全管理措置」とは何かをいまいちイメージ出来ていない方が多いからだと思われます。
この記事のポイント
- 安全管理措置とは、個人情報を漏えい、滅失、き損などから守り、安全を保つために実施すべき適切な措置のこと
- 個人情報保護法では、個人情報取扱事業者の義務として安全管理措置が定められている
- Pマークの審査では、入退館管理、盗難防止、物理的な保護、アクセス制御、不正ソフトウエア対策などが確認される
- 設備投資の大きさではなく、対策が効果的かつ適切かどうかが問われる
安全管理措置とは
安全管理措置とは、個人情報を漏洩、滅失、毀損などから守るために、また安全を保つために実施すべき適切な措置のことなのですが、個人情報保護法では、個人情報取扱事業者の義務として、以下のように安全管理措置に明記してあります。
個人情報保護法の安全管理措置(第二十条)
第二十条(安全管理措置)
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又はき損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
それでは、具体的に審査ではどこが確認されるのかについては大きく分けて下記の通りとなります。
審査で確認される事項
| 項目 | 確認される内容の例 |
|---|---|
| 入退館管理 | 建物、個人情報の取扱い場所への入退の制限機構があり、入退制限しているか等 |
| 盗難防止 | ノートPCや電子媒体を社外に持ち出すことへの対策、PCのリース・レンタル等 |
| 物理的な保護 | サーバデータのバックアップをしているか等 |
| アクセス制御 | アクセスログを取得しているか。アクセスログを定期的にチェックしているか等 |
| 不正ソフトウエア対策等 | ウイルス対策ソフトを導入し、パターンファイルを最新にしているか等 |
まとめ
細かく分けるとたくさんあるのですが、設備投資の話ではなく、全てが効果的でかつ適切かどうかが問われるのです。
今回は安全管理措置についてまとめてみました。
★こちらの記事もおすすめ
→【仮想通貨を支えるブロックチェーン技術の仕組みと取引所のセキュリティってどうなっている?(ISMS取得事業者からよくある質問)】
株式会社UPFについて(2026年10月1日時点)
株式会社UPFは、プライバシーマーク(Pマーク)・ISMS(ISO/IEC 27001)・AIMS(ISO/IEC 42001)・TISAXなどの認証の取得・運用支援と、セキュリティ監査、AI利用ガイドラインの策定支援を行う情報セキュリティの専門会社です。
- 創業:2005年5月(認証取得支援は2009年から)
- 支援実績:累計5,695社(うちプライバシーマーク4,261社、ISMS 1,199社)
- 継続率:95%(2020〜2026年平均。初めてUPFを利用したお客様が、次回の更新もUPFに依頼した割合)
- 体制:プライバシーマーク審査機関(JIPDEC)の現役審査員が在籍(自らがコンサルティングを担当する企業の審査は行いません)。年間2,000件を超える審査関連の情報が社内に集まります
- 自社でも取得:プライバシーマーク、ISMS(ISO/IEC 27001)、ISO/IEC 27701
- 拠点:東京(本社)・名古屋・福岡。全国の企業に対応
- 数字の定義と根拠:UPFの支援実績・継続率などの数字の定義と根拠
この記事を書いた人
岡本
同じテーマの記事はこちら
「破られる前提」で備える時代へ——PHPの深刻な脆弱性(php2shell)とAI時代のサイバー攻撃について、私が考えたこと
2026年10月、サーバー側の言語が判明しているWebサイトの約7割で使われるPHPに、認証なしで外部からコードを実行され得る深刻な脆弱性(php2shell、CVSS 9.2)が公表され、国内外でサイト停止が相次ぎました。10年以上潜んでいた穴の攻撃経路をAIが突き止めた今回の件から、企業が「破られる前提」で備えたいことを、情報セキュリティの支援会社の代表として考えます。 […]
「預かる側」が問われている——委託先経由の漏えいが相次ぐなか、受託企業がいま整えておきたい5つのこと
日本経済新聞が随時更新している個人情報漏えいの公表企業一覧(2026年10月20日更新時点の78本)を見出しで確認すると、委託先・外部サービスなど、自社の外にある事業者の関与が示されたものが22本ありました。一つの攻撃が多数の公表につながる「連鎖」を踏まえ、取引先から個人データを預かる受託企業がいま整えておきたい5つのことを、個人情報保護委員会の資料をもとに整理します。 […]
「入らせない」——侵入経路の約5割はVPN機器。不正アクセスを防ぐために、いま優先する5つの対策
2026年上半期のランサムウェア被害報告は123件で半期として最多、被害組織の約6割は中小企業、侵入経路の約5割はVPN機器(警察庁)。個人情報保護委員会と警察庁の資料をもとに、不正アクセスを防ぐためにいま優先する5つの対策をまとめた、連載の最終回です。 […]
「退会しても、情報は残っている」——相次ぐ個人情報漏えいに、利用者・経営者・支援会社の3つの立場から私が考えたこと
タイムズカー、スカイチケット、ブックオフ、デジタル庁と、大規模な個人情報漏えいの発表が相次いでいます。退会しても情報が残っていることがある現実を踏まえ、利用者・経営者・Pマーク/ISMSの支援会社という3つの立場から、いまできる備えをUPF代表の仲手川が考えます。 […]
「間違えて渡さない」——件数で最多の漏えい、誤送付・誤交付を「注意」ではなく「仕組み」で減らす
個人情報保護委員会に報告された漏えい等事案の76.9%は紙媒体のみ。件数で見るといまも最多の誤送付・誤交付を、人の注意ではなく「止まる・間違えにくい・広がらない・報告される」の4つの仕組みで減らす方法を、個人情報保護委員会の資料をもとにまとめたコラムです。 […]
